熊本大学 2023年度
文理共通数学 第4問(理工系)
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 理学部、医学部(保健学科放射線技術科学専攻・検査技術科学専攻)、薬学部、工学部
- 分野
- 微分、積分、指数・対数、関数
- 解法
- 増減表、部分積分、定積分評価、不等式評価
- 難易度
- 6 / 10 計算量 6 / 10 目安 18分
問題
tは正の実数とする.以下の問いに答えよ.(問1) 関数f(x)=2tx2e−tx2の極値を求めよ.(問2) 定積分∫1t4tx(1−tx2)e−tx2logxdxの値をtを用いて表せ.(問3) (問2)で求めた値をg(t)とおく.1<t<4のとき,不等式g(t)>(t25−t2+1)e−t2−e−tが成り立つことを示せ.
出典:熊本大学 2023年度 前期 文理共通 第4問
方針
解法1
(問1)は微分して臨界点を調べる。(問2)では被積分関数が f′(x)logx であることを見抜き,部分積分を行う。(問3)は得られた式から共通項を消し,u=t とおいて logt>t−1 を微分で示す。
解法2(置換積分と一変数不等式)
u=tx2 で指数関数の中身を新変数にし、(ue−u)′=(1−u)e−u を使って積分する。不等式は H(t)=logt−t+1 の単調性を区間 (1,4) で直接調べる。
解答
解法1
(問1)
f′(x)=4tx(1−tx2)e−tx2
である。したがって臨界点は x=0, ±t1 である。e−tx2>0 より符号を調べると,x=0 で極小値 0,x=±t1 で極大値
2t⋅t1e−1=e2
をとる。
(問2)
F(x)=2tx2e−tx2 とおくと
F′(x)=4tx(1−tx2)e−tx2
である。部分積分により
∫1t4tx(1−tx2)e−tx2logxdx=[2tx2e−tx2logx]1t−∫1t2txe−tx2dx=t2logte−t2−[−e−tx2]1t=(t2logt+1)e−t2−e−t.
したがって
g(t)=(t2logt+1)e−t2−e−t
である。
(問3)
示すべき不等式は
t2logt+1>t25−t2+1
と同値である。u=t とおくと 1<u<2 であり,
ϕ(u)=2logu−u+1
とおけば
ϕ′(u)=u2−1>0(1<u<2)
である。また ϕ(1)=0 であるから,1<u<2 で ϕ(u)>0 である。すなわち
である。両辺に正の t2 を掛けると
t2logt>t25−t2
となる。よって
g(t)>(t25−t2+1)e−t2−e−t
が成り立つ。
解法2(置換積分と一変数不等式)
(問1)
u=tx2≧0 とおけば f(x)=2ue−u である。
dud(2ue−u)=2(1−u)e−u
より、u=0 で極小値 0、u=1、すなわちx=±1/t で極大値 2/e をとる。
(問2)
u=tx2 とおくと、積分区間は t≦u≦t2 となり
logx=21(logu−logt),du=2txdx
である。したがって求める積分は
∫tt2(1−u)e−u(logu−logt)du
となる。(ue−u)′=(1−u)e−u を用いて部分積分すると
g(t)=[ue−u(logu−logt)]tt2−∫tt2e−udu=(t2logt+1)e−t2−e−t.
(問3)
H(t)=logt−t+1 とおくと
H′(t)=t1−2t1=2t2−t>0(1<t<4).
H(1)=0 だから logt>t−1 である。これに正の t2e−t2 を掛けて整理すれば
g(t)>(t5/2−t2+1)e−t2−e−t
を得る。