熊本大学 2026年度
文理共通数学 第4問(文系学部)
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 教育学部,医学部(保健学科看護学専攻),情報融合学環(文系型),共創学環
- 分野
- 図形と方程式、関数、積分
- 解法
- 絶対値の処理、グラフの概形、解と係数の関係、面積計算
- 難易度
- 6 / 10 計算量 7 / 10 目安 —
問題
座標平面上の直線 y=x−43 を ℓ とし,曲線 y=∣x2−4x+3∣ を C とする。以下の問いに答えよ。
(問1) 曲線 C の概形を座標平面上に図示せよ。
(問2) 直線 ℓ と曲線 C の共有点の個数を求めよ。
(問3) 直線 ℓ と曲線 C の共有点の x 座標のうち最小のものを α,最大のものを β とおく。このとき,β2−α2 および β3−α3 の値をそれぞれ求めよ。
(問4) 直線 ℓ と曲線 C で囲まれた部分の面積を求めよ。
出典:熊本大学 2026年度 前期 文理共通 第4問
方針
解法1(区間分けと解と係数の関係)
絶対値の中身 (x−1)(x−3) の符号で曲線を3区間に分ける。直線との交点は外側の放物線部分と内側の反転部分で別々に求め,最小・最大の交点には解と係数の関係を用いる。面積は直線が曲線以上にある区間を,x=1,3 で分けて定積分する。
解法2(問4:反転前の放物線との差で補正)
まず絶対値を外す前の放物線 y=x2−4x+3 と直線の間の面積を [α,β] で一括計算する。その後,1<x<3 で放物線を x 軸対称に折り返した分だけ補正する。
解答
解法1(区間分けと解と係数の関係)
(問1)
x2−4x+3=(x−1)(x−3) であるから
y=∣x2−4x+3∣={x2−4x+3−x2+4x−3(x≦1, 3≦x),(1≦x≦3)
である。したがって x≦1 と x≧3 では上に開く放物線 y=x2−4x+3,1≦x≦3 では下に開く放物線 y=−x2+4x−3 の部分を描けばよい。特に x=1,3 で x 軸と交わり,x=2 で y=1 となる。
図を準備中です。
(問2)
x≦1 または 3≦x では
x2−4x+3=x−43
すなわち
x2−5x+415=0
である。この解は
であり,それぞれ x≦1,3≦x の範囲に入る。
また,1≦x≦3 では
−x2+4x−3=x−43
すなわち
(x−23)2=0
である。よって共有点は全部で 3 個である。
(問3)
(問2)より
である。したがって
より
である。また αβ=415 であるから
β3−α3=(β−α)(β2+αβ+α2)=10{(α+β)2−αβ}=48510
である。
(問4)
α≦x≦β では直線 ℓ は曲線 C 以上にある。求める面積を A とすると
A=∫α1{x−43−(x2−4x+3)}dx+∫13{x−43−(−x2+4x−3)}dx+∫3β{x−43−(x2−4x+3)}dx.
ここで
x−43−(x2−4x+3)=−x2+5x−415
は α,β を根に持つので
∫αβ(−x2+5x−415)dx=6(β−α)3=3510
である。また
∫13(−x2+5x−415)dx=623,∫13(x2−3x+49)dx=67
である。したがって
A=3510−623+67=3510−8
である。
解法2(問4:反転前の放物線との差で補正)
(問4)
絶対値を外す前の放物線と直線との差を
d(x)=x−43−(x2−4x+3)=−(x−α)(x−β)
とする。β−α=10 なので,放物線弓形の公式(または平行移動して積分)より
∫αβd(x)dx=6(β−α)3=3510.
ただし 1≦x≦3 では曲線が x 軸対称に折り返される。実際の差と d(x) の差は
{x−43−(−x2+4x−3)}−d(x)=2(x−1)(x−3)
である。ゆえに求める面積は
A=3510+∫132(x−1)(x−3)dx=3510−38=3510−8.