問題
時刻 秒のときコマが座標平面上の点 上にあり,その後 秒ごとにコマは次の規則に従って座標平面上を移動する。
・コマが点 ( かつ )の上にあるとき, の確率で点 に移動し, の確率で点 に移動する。
・コマが点 ()の上にあるとき,必ず点 に移動する。
・コマが点 ()の上にあるとき,必ず点 に移動する。
こうして, 秒後にコマは点 に到達する。時刻 秒( は を満たす整数)におけるコマの位置を表す点を とし,線分 ()を結んでできる折れ線と 軸および 軸で囲まれる部分の面積を とする。以下の問いに答えよ。
(問1) となる確率を求めよ。
(問2) となる確率を求めよ。
(問3) の期待値を求めよ。
方針
解法1(6経路の全列挙)
4回の移動は右向きの移動を2回,下向きの移動を2回含む単調な経路に限られる。6通りの経路について,境界に達する前の確率を掛け合わせ,折れ線と座標軸で囲まれる面積を表にして求める。期待値は各面積にその確率を掛けて和をとる。
解法2(面積の確率母関数)
状態 から終点までに加わる面積の確率母関数を とする。高さ で右へ1進むと面積が 増えるので,遷移式を下から計算すれば,経路を個別に並べずに面積の分布全体が得られる。
解答
解法1(6経路の全列挙)
(問1)
右への移動を ,下への移動を と書く。可能な経路と確率,面積 は次の通りである。
したがって となるのは経路 のときだけであるから,求める確率は
である。
(問2)
となるのは経路 と のときである。よって求める確率は
である。
(問3)
上の表より,期待値は
である。
なお,表の確率の和は
となり,全経路を尽くしていることも確認できる。
解法2(面積の確率母関数)
高さ で右へ移る1歩が面積に を加えることに注意する。状態 から終点までに加わる面積を とし,
とおく。境界では
であり,内部では
である。終点で として順に計算すると
したがって
よって係数を読めば
また微分して を代入すれば
を得る。