過去問データベース 過去問を探す

熊本大学 2026年度
文理共通数学 第1問(文系学部)

問題

時刻 秒のときコマが座標平面上の点 上にあり,その後 秒ごとにコマは次の規則に従って座標平面上を移動する。

・コマが点 かつ )の上にあるとき, の確率で点 に移動し, の確率で点 に移動する。

・コマが点 )の上にあるとき,必ず点 に移動する。

・コマが点 )の上にあるとき,必ず点 に移動する。

こうして, 秒後にコマは点 に到達する。時刻 秒( を満たす整数)におけるコマの位置を表す点を とし,線分 )を結んでできる折れ線と 軸および 軸で囲まれる部分の面積を とする。以下の問いに答えよ。

(問1) となる確率を求めよ。

(問2) となる確率を求めよ。

(問3) の期待値を求めよ。

出典:熊本大学 2026年度 前期 文理共通 第1問

方針

解法1(6経路の全列挙)

4回の移動は右向きの移動を2回,下向きの移動を2回含む単調な経路に限られる。6通りの経路について,境界に達する前の確率を掛け合わせ,折れ線と座標軸で囲まれる面積を表にして求める。期待値は各面積にその確率を掛けて和をとる。

解法2(面積の確率母関数)

状態 から終点までに加わる面積の確率母関数を とする。高さ で右へ1進むと面積が 増えるので,遷移式を下から計算すれば,経路を個別に並べずに面積の分布全体が得られる。

解答

解法1(6経路の全列挙)

(問1)

右への移動を ,下への移動を と書く。可能な経路と確率,面積 は次の通りである。

したがって となるのは経路 のときだけであるから,求める確率は

である。

(問2)

となるのは経路 のときである。よって求める確率は

である。

(問3)

上の表より,期待値は

である。

なお,表の確率の和は

となり,全経路を尽くしていることも確認できる。

解法2(面積の確率母関数)

高さ で右へ移る1歩が面積に を加えることに注意する。状態 から終点までに加わる面積を とし,

とおく。境界では

であり,内部では

である。終点で として順に計算すると

したがって

よって係数を読めば

また微分して を代入すれば

を得る。