熊本大学 2024年度
文理共通数学 第1問(文系学部)
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 教育学部,医学部(保健学科看護学専攻),情報融合学環(文系型)
- 分野
- 三角関数、数列
- 解法
- 三角比の利用、式変形、範囲評価
- 難易度
- 4 / 10 計算量 3 / 10 目安 —
問題
数列{an}は0<an<2πかつtanan=nを満たすとする。以下の問いに答えよ。(問1) cos2anをnの式で表せ。(問2) tan(an+1−an)をnの式で表せ。(問3) cos2antan(an+1−an)>109を満たすnの最小値を求めよ。
出典:熊本大学 2024年度 前期 文理共通 第1問
方針
解法1(標準解法)
tanan=nからcos2an=1/(1+n2)を出す。差の正接は加法定理で計算する。最後は得られた有理式の不等式を二次不等式として解き、自然数の最小値を読む。
解法2(単調性で最小値を判定)
anを直角三角形の鋭角とみてsinan,cosanを直接表す。差角の正接を求めた後、得られる数列が単調増加であることを示し、n=8,9だけを比較して最小値を確定する。
解答
解法1(標準解法)
(問1)
1+tan2an=cos2an1
であり、tanan=nだから
cos2an=n2+11
である。
(問2)
正接の加法定理より
tan(an+1−an)=1+tanan+1tanantanan+1−tanan=n2+n+11
である。
(問3)
(問1)、(問2)より
cos2antan(an+1−an)=n2+n+1n2+1
である。したがって
n2+n+1n2+1>109
は
n2−9n+1>0
と同値である。この二次式の正の大きい方の解は(9+77)/2で、これは8と9の間にある。よって条件を満たすnの最小値は
9
である。
解法2(単調性で最小値を判定)
(問1)
0<an<π/2かつtanan=nなので、直角三角形の辺を1,n,n2+1とみれば
cosan=n2+11,cos2an=n2+11.
(問2)
差角公式から
tan(an+1−an)=1+n(n+1)(n+1)−n=n2+n+11.
(問3)
左辺をRnとすると
Rn=n2+n+1n2+1.
直接差をとれば
Rn+1−Rn=(n2+n+1)(n2+3n+3)n2+n−1>0
であり、Rnは自然数nについて単調増加する。一方
R8=7365<109,R9=9182>109.
したがって条件を満たす最小の自然数は
n=9
である。