熊本大学 2024年度
文理共通数学 第1問(理工系)
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 理学部,医学部(保健学科放射線技術科学専攻・検査技術科学専攻),薬学部,工学部,情報融合学環(理系型)
- 分野
- 指数・対数、微分、積分
- 解法
- 接線・法線、面積計算、置換
- 難易度
- 5 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
eを自然対数の底とする。以下の問いに答えよ。(問1) 曲線y=ex上の点(a,ea)における接線の方程式を求めよ。(問2) (問1)で求めた接線の傾きをp,y切片をqとする。qをpの式で表せ。(問3) (問2)で求めたpの式をf(p)とする。曲線y=f(x)上の点(1,f(1))における接線l1および点(e,f(e))における接線l2の方程式を求めよ。(問4) (問3)で求めた2本の接線l1,l2および曲線y=f(x)によって囲まれた部分の面積を求めよ。
出典:熊本大学 2024年度 前期 文理共通 第1問
方針
解法1(標準解法)
y=exの接線から傾きp=eaと切片q=ea(1−a)を得て、a=logpでf(p)に直す。f(x)=x(1−logx)の接線を求め、二本の接線と曲線の位置を確認して積分する。
解法2(接線の包絡と原始関数で整理)
接線の係数を直接pで表し、f′′(x)<0から接線が曲線の上側にあることを確認する。面積は2本の接線のうち低い方とfとの差として区間を分け、共通の原始関数で端点計算する。
解答
解法1(標準解法)
(問1)
y=exのx=aにおける傾きはeaである。したがって接線は
y−ea=ea(x−a)
すなわち
y=eax+ea(1−a)
である。
(問2)
p=eaであるからa=logpであり、p>0である。y切片は
q=ea(1−a)=p(1−logp)
である。
(問3)
f(x)=x(1−logx)
であるから
f′(x)=−logx
である。f(1)=1,f′(1)=0より
l1:y=1
である。またf(e)=0,f′(e)=−1より
l2:y=−x+e
である。
(問4)
二直線l1,l2の交点はx=e−1である。f(x)は上に凸であり、接線は曲線の上側にあるから、求める面積は
∫1e−1{1−f(x)}dx+∫e−1e{−x+e−f(x)}dx
である。f(x)=x−xlogxを用いて計算すると
∫1e−1(1−x+xlogx)dx+∫e−1e(e−2x+xlogx)dx=e−4e2+3
である。
解法2(接線の包絡と原始関数で整理)
(問1)
接点を(a,ea)とすると、微分係数はeaである。点傾きの式から
y=ea(x−a)+ea=eax+ea(1−a).
(問2)
p=ea>0よりa=logpである。したがって
q=ea(1−a)=p(1−logp).
よってf(p)=p(1−logp)である。
(問3)
f′(x)=−logxなので、x=1,eにおける接線はそれぞれ
ℓ1:y=1,ℓ2:y=−x+e.
(問4)
f′′(x)=−1/x<0であるから、各接線は曲線の上側にある。またℓ1とℓ2はx=e−1で交わる。囲まれた領域の上端は、1≦x≦e−1ではℓ1、e−1≦x≦eではℓ2である。
ここで
∫xlogxdx=2x2logx−4x2
を用いると、面積Sは
S=∫1e−1(1−x+xlogx)dx+∫e−1e(e−2x+xlogx)dx=e−4e2+3.
e2−4e+3=(e−1)(e−3)<0よりこの値は正であり、領域の取り方とも整合する。