問題
nを2以上の自然数とする.数列{Sn}がSk=1+21+31+⋯+k1で与えられている.
(1) 不等式log(n+1)<Sn<1+lognが成り立つことを示せ.
(2) 一般に数列{ck}に対して,Δck=ck+1−ck(k=1,2,⋯)とおく.数列{an}と{bn}に対して,
k=1∑n−1akΔbk=anbn−a1b1−k=1∑n−1bk+1Δak
が成り立つことを示せ.また,k=1∑n−1kSk=(Sn−21)p(n)となるnの整式p(n)を求めよ.
(3) 不等式n(n−1)2k=1∑n−1kSk−logn<21が成り立つことを示せ.
出典:九州大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第5問(c)
解答
(1)
関数 1/x は x>0 で減少する。したがって各 k=1,2,…,n について ∫kk+1xdx<k1 であり、これを足すと log(n+1)=∫1n+1xdx<Sn を得る。
また k=2,3,…,n について k1<∫k−1kxdx である。よって Sn=1+∑k=2nk1<1+∫1nxdx=1+logn である。したがって log(n+1)<Sn<1+logn である。
(2)
Δ(akbk)=ak+1bk+1−akbk である。右辺を変形すると
Δ(akbk)=ak(bk+1−bk)+bk+1(ak+1−ak)=akΔbk+bk+1Δak.
したがって akΔbk=Δ(akbk)−bk+1Δak である。これを k=1 から n−1 まで足すと
k=1∑n−1akΔbk=anbn−a1b1−k=1∑n−1bk+1Δak
を得る。
次に ak=k、bk=Sk とする。このとき ΔSk=Sk+1−Sk=k+11,Δak=1 である。公式より
k=1∑n−1k⋅k+11=nSn−S1−k=1∑n−1Sk+1.
これを直接使って整理してもよいが、求めたい和は次のように順序を入れ替えると速い。
k=1∑n−1kSk=k=1∑n−1kj=1∑kj1=j=1∑n−1j1k=j∑n−1k=j=1∑n−1j1{2n(n−1)−2j(j−1)}=2n(n−1)Sn−1−21j=1∑n−1(j−1).
ここで Sn−1=Sn−n1,∑j=1n−1(j−1)=2(n−1)(n−2) だから
k=1∑n−1kSk=2n(n−1)(Sn−n1)−4(n−1)(n−2)=2n(n−1)Sn−2n−1−4(n−1)(n−2)=2n(n−1)Sn−4n(n−1)=(Sn−21)2n(n−1).
したがって p(n)=2n(n−1) である。
(3)
(2) より n(n−1)2∑k=1n−1kSk=Sn−21 である。したがって示すべき不等式は ∣Sn−21−logn∣<21 である。
(1) より log(n+1)<Sn<1+logn だから log(n+1)−logn−21<Sn−21−logn<21 である。右側はすでに示されている。左側については log(n+1)−logn=log(1+n1)>0 なので log(n+1)−logn−21>−21 である。よって −21<Sn−21−logn<21 であり、
n(n−1)2k=1∑n−1kSk−logn<21
が成り立つ。