問題
3次単位行列の第1行の倍を第3行に加えた行列をとする.
(1) となる行列を求めよ.
(2) 行列について,を求めよ.
(3) 行列と行列が与えられているとき,を満たす行列は,またを満たすことを示せ.
(4) ,,を未知数とする連立1次方程式
の係数が作る行列をとして,この方程式をで表すとき,この両辺に左からをかけた連立1次方程式を書け.
(5) 上と同様の操作を繰り返すことにより,(4)で与えた連立1次方程式が解を持つための条件を求め,解があるときはその解をすべて求めよ.
方針
行基本変形を左から行列を掛ける操作として読む。(1)では第3行に第1行の 倍を加える操作の逆、つまり第3行に第1行の2倍を加える行列を求める。(2)は実際に左から掛けて第3行だけが変わることを確認する。(3)は逆行列 を左から掛ければ同値性が戻る。(4)(5)では拡大係数行列に同じ行基本変形を続け、最後の行が条件式を与えることを読む。
解答
(1)
3次単位行列の第1行の 倍を第3行に加えるので
である。この操作の逆は、第1行の2倍を第3行に加える操作である。したがって
であり、実際に となる。
(2)
左から を掛けることは、第3行を に置き換えることである。したがって
である。
(3)
が成り立つとする。両辺に左から を掛けると である。(1)より だから となる。したがって を満たす は、もとの も満たす。
(4)
係数行列を
とする。左から を掛けると、第3行から第1行の2倍を引くので
である。したがって連立方程式は
である。
(5)
(4)で得た連立方程式をさらに掃き出す。第1式と第2式を加えると すなわち である。一方、第3式は であり、これは と同値である。したがって解をもつためには が必要である。整理して である。
この条件が成り立つとき、 とおく。第3式から である。条件 を用いると なので である。第1式 に代入すると であり、 となる。したがって である。
よって解をもつための条件は であり、この条件が成り立つときの解は である。ただし は任意の実数である。