問題
nを自然数として,f(x)=k=1∑nkxkとおく.
(1) x<1において,
f(x)=−log(1−x)−∫0x1−ttndt
が成り立つことを示せ.ここで,log1−ttnは自然対数を表す.
(2) ∣x∣≦31とするとき,次の不等式が成り立つことを示せ.
(i) x≧0において,∫0x1−ttndt≦2(n+1)3xn+1
(ii) x<0において,∫0x1−ttndt≦n+1∣x∣n+1
(iii) f(x)−f(−x)−log1−x1+x≦2(n+1)5∣x∣n+1
(3) この不等式を用いて,log2の近似値を誤差が1001以下となるような分数で求めよ.
出典:九州大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第3問
解答
(1)
t<1 で 1−t1=1+t+t2+⋯+tn−1+1−ttn が成り立つ。これを 0 から x まで積分すると
∫0x1−t1dt=k=1∑nkxk+∫0x1−ttndt
である。左辺は −log(1−x) であり、中央の和は f(x) である。したがって f(x)=−log(1−x)−∫0x1−ttndt である。
(2)
(i) 0≦x≦1/3 とする。この範囲では 0≦t≦x≦1/3 なので 1−t1≦1−1/31=23 である。よって
0≦∫0x1−ttndt≦23∫0xtndt=2(n+1)3xn+1
である。
(ii)
−1/3≦x<0 とする。積分区間の向きに注意すると
∫0x1−ttndt=∫x01−ttndt≦∫x0∣1−t∣∣t∣ndt
である。t≦0 では ∣1−t∣=1−t≧1 だから
∫0x1−ttndt≦∫x0∣t∣ndt=n+1∣x∣n+1
である。
(iii)
(1)を x と −x に適用する。 f(x)=−log(1−x)−∫0x1−ttndt であり、f(−x)=−log(1+x)−∫0−x1−ttndt である。差を取ると
f(x)−f(−x)−log1−x1+x=−∫0x1−ttndt+∫0−x1−ttndt
である。
右辺の絶対値は、(i)(ii)の評価を合わせて
2(n+1)3∣x∣n+1+n+1∣x∣n+1=2(n+1)5∣x∣n+1
以下である。したがって
f(x)−f(−x)−log1−x1+x≦2(n+1)5∣x∣n+1
である。
(3)
1−x1+x=2 となる x は x=31 である。n=3 とすると、(2)(iii)より誤差は 2(3+1)5(1/3)4=6485<1001 である。
このとき f(31)−f(−31) では偶数次の項が消え、奇数次の項だけが2倍される。n=3 だから
f(31)−f(−31)=2(31+31(31)3)=2(31+811)=8156
である。よって log2≃8156 とすれば、誤差は 1/100 以下である。