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九州大学 2000年度
理系数学 第4問(a)

問題

複素数と,それに共役な複素数に対しとする.

(1) は整数を係数とするある3次方程式の解となることを示せ.

(2) この3次方程式は3個の実数解をもち,そのいずれも有理数ではないことを示せ。

(3) 有理数を係数とする2次方程式で,を解とするものは存在しないことを背理法を用いて示せ.

出典:九州大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第4問(a)

方針

と見て、3倍角公式から3次方程式を作る。(2)では符号変化で3つの実数解があることを示し、有理根定理で有理数解がないことを確認する。(3)は背理法で、もし が有理数係数2次方程式の解なら、3次式 とその2次式が共通根をもつ。割り算の余りを考えると、有理数解または有理係数1次因子が出てしまい、(2)と矛盾する。

解答

(1)

なので である。したがって である。

3倍角公式 を代入する。 だから である。よって の解である。

(2)

とおく。 なので、 の間に実数解がある。また なので、 と0の間にも実数解がある。さらに なので、1と2の間にも実数解がある。3次方程式の解は高々3個なので、この方程式は3個の実数解をもつ。

次に有理数解がないことを示す。 は最高次係数1、定数項 の整数係数多項式である。有理数解をもつなら、その解は整数で、しかも に限られる。しかし である。したがって有理数解はない。よって3個の実数解はいずれも有理数ではない。

(3)

背理法で示す。 を解にもつ有理数係数の2次方程式が存在すると仮定する。その左辺を とする。必要なら定数倍して、 は有理数係数の2次式であるとしてよい。 で割ると、余りは高々1次の有理数係数多項式である。これを とする。 だから である。

もし が0でない1次式なら、 より は有理数である。これは(2)に反する。もし が0でない定数なら、 は不可能である。したがって余りは0でなければならない。

余りが0なら、 を割り切る。すると は有理数係数の1次式を因数にもつので、有理数解をもつことになる。これも(2)に反する。よって仮定は誤りであり、 を解とする有理数係数の2次方程式は存在しない。