熊本大学 2025年度
文理共通数学 第1問(理工系)
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 理学部,医学部(保健学科放射線技術科学専攻・検査技術科学専攻),薬学部,工学部,情報融合学環(理系型)
- 分野
- 複素数平面、数列
- 解法
- 実部虚部比較、漸化式の変形、誘導利用
- 難易度
- 5 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
次のように定められた複素数の数列{zn}を考える。z1=1,zn+1=(1+i)zn+(2+i)zn(n=1,2,3,…)ただし,iは虚数単位であり,znはznと共役な複素数である。以下の問いに答えよ。(問1) αn=zn+zn(n=1,2,3,…)とおくとき,数列{αn}の一般項を求めよ。(問2) βn=(2−i)zn−(2+i)zn(n=1,2,3,…)とおくとき,数列{βn}の一般項を求めよ。(問3) 数列{zn}の一般項を求めよ。
出典:熊本大学 2025年度 前期 文理共通 第1問
方針
標準解法(実部・虚部に分けて誘導を読む)
zn=xn+yni とおくと,漸化式は xn+1=3xn,yn+1=2xn−yn になる。誘導で与えられた αn,βn がそれぞれこの連立漸化式の独立な成分を取り出していることを確認し,二つの等比数列から zn を復元する。
別解(共役を保ったまま誘導式を計算)
実部・虚部へ分けず,漸化式とその共役を辺々加えて αn+1 を求める。次に定義へ漸化式を代入して βn+1=−βn を示し,zn を αn,βn の一次結合として復元する。
解答
標準解法(実部・虚部に分けて誘導を読む)
(問1)
zn=xn+yniとおく。漸化式より
zn+1=3xn+(2xn−yn)i
であるから
xn+1=3xn
である。z1=1よりx1=1であり、αn=zn+zn=2xnだから
αn=2⋅3n−1
である。
(問2)
βn=(2−i)zn−(2+i)zn=2i(2yn−xn)
である。また
2yn+1−xn+1=2(2xn−yn)−3xn=−(2yn−xn)
であるから
βn+1=−βn
となる。β1=−2iなので
βn=2(−1)ni
である。
(問3)
(問1)より
xn=3n−1
である。また(問2)より
2yn−xn=(−1)n
であるから
yn=23n−1+(−1)n
である。したがって
zn=3n−1+23n−1+(−1)ni
である。
別解(共役を保ったまま誘導式を計算)
(問1)
漸化式とその共役
zn+1=(1−i)zn+(2−i)zn
を加えると
αn+1=3(zn+zn)=3αn.
α1=2 より
αn=2⋅3n−1.
(問2)
定義へ二つの漸化式を代入して整理すると
βn+1=(2−i)zn+1−(2+i)zn+1=−(2−i)zn+(2+i)zn=−βn.
β1=−2i だから βn=2(−1)ni である。
(問3)
連立一次式
αn=zn+zn,βn=(2−i)zn−(2+i)zn
を zn について解くと
zn=4(2+i)αn+βn.
よって
zn=3n−1+23n−1+(−1)ni.