過去問データベース 過去問を探す

九州大学 2001年度
理系数学 第5問(c)

問題

を整数とし,を未知数とする連立1次方程式を考える.

(1) この方程式を行列を用いて表し,係数行列の逆行列を求めよ.

(2) 上の連立方程式の解が共に整数であるような組をすべて求めよ.ただし,とする.

(3) 正の整数で,「のどんな倍数に対しても上の連立方程式の解が整数になる」ものが存在することを示せ.

(4) (3)におけるのうちで最小のものを求めよ.

出典:九州大学 2001年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第5問(c)

方針

係数行列の逆行列を求め、 で明示する。整数条件は から が偶数、 から と読む。(2)では の範囲でこの合同条件を列挙する。(3)(4)では、任意の の倍数 に対して整数解をもつ条件を、 から必要条件として調べ、 が十分であることを確認する。

解答

(1)

連立方程式は

と表される。係数行列を とすると

であり、行列式は である。したがって逆行列は

である。

(2)

(1)より

である。すなわち である。 が整数となるためには が偶数であることが必要十分である。また が整数となるためには すなわち であることが必要十分である。 で偶数のものは である。それぞれについて の範囲で調べると、 である。したがって求める組は である。

(3)

たとえば とする。 がともに6の倍数なら、 は偶数であり、また なので も成り立つ。したがって(2)で得た整数条件を満たし、解 はともに整数である。よって条件を満たす正の整数 は存在する。

(4)

条件を満たす を考える。まず の倍数の組である。このとき が整数でなければならないので、 は3の倍数である。

次に とすると が整数でなければならない。したがって は2の倍数である。

よって は2の倍数かつ3の倍数、すなわち6の倍数でなければならない。(3)で が条件を満たすことを示したので、最小のものは である。

別解。(2)の条件は、 が格子点のうち 偶数かつ が3の倍数であるものに限られる、という合同条件である。(3)(4)は、すべての の倍数がこの格子に入るための最小周期を求めていると見れば、2と3の最小公倍数である6が自然に現れる。