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九州大学 2000年度
文系数学 第3問(b)

問題

下記の各命題についてその真偽を記し,理由を述べよ.

(1) は無理数である.

(2) 和も積も共に0でない有理数であるような2つの実数は,共に有理数である.

(3) 無理数は何乗かすると有理数になる.ただし,ここで何乗かするというのは,を1以上のある整数として乗することである.

(4) 和も積も共に有理数であるような2つの実数に対して,は有理数である.

出典:九州大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問(b)

方針

各命題を真偽で分ける。真の命題は標準的な証明を与え、偽の命題は具体的な反例を示す。(1)は素因数7の偶奇で無理数性を示す。(2)は和と積が有理でも個々が無理になる共役型の例を出す。(3)は何乗しても無理数の例として を使い、 の形が保たれ、 であることを示す。(4)は和 、積 からべき和の漸化式を作る。

解答

(1)

真である。背理法で示す。もし が有理数なら、互いに素な整数 を用いて と書ける。両辺を2乗して である。よって は7で割り切れるので、 も7で割り切れる。 とおくと より となる。したがって も7で割り切れる。これは が互いに素であることに反する。よって は無理数である。

(2)

偽である。反例を挙げればよい。 とする。このとき はともに無理数であるが、 であり、和も積も0でない有理数である。したがって命題は偽である。

(3)

偽である。 を考える。 は無理数である。任意の自然数 について、 の形に書け、しかも は正の整数であることを示す。 では で成り立つ。 と書けるなら であり、係数はやはり正の整数である。よって帰納的に成り立つ。

特にすべての なので、 は有理数ではない。したがって「無理数は何乗かすると有理数になる」という命題は偽である。

(4)

真である。 とおく。仮定より は有理数である。べき和 を考える。 は2次方程式 の解であるから である。これに をそれぞれ掛けて足すと、 を得る。

初期値は で、どちらも有理数である。漸化式の係数 も有理数なので、帰納的にすべての は有理数である。特に は有理数である。