九州大学 1999年度
理系数学 第4問(a)
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 関数、数列、論証・証明
- 解法
- 不等式評価、漸化式の変形、背理法
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
関数f(x)=1−x2について,次の問に答えよ.
(1) f(a)=aをみたす正の実数aを求めよ.
(2) aを(1)で求めた実数とする.x≧21ならば,∣f(x)−f(a)∣≧25∣x−a∣となることを示せ.
(3) aを(1)で求めた実数とする.21≦x1≦1として,
xn+1=f(xn),n=1,2,3,⋯⋯,
で決まる数列{xn}を考える.すべてのnに対して21≦xn≦1がなりたつならば,x1=aであることを示せ.
出典:九州大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第4問(a)
方針
(1) は固定点方程式 f(a)=a を解く。(2) は f(x)−f(a)=−(x+a)(x−a) と因数分解し,x≧1/2 と a の値から x+a の下限を押さえる。(3) は (2) を反復して,x1=a なら ∣xn−a∣ が等比的に増大することを示す。一方で仮定より xn は閉区間 [1/2,1] に入って有界なので矛盾する。
解答
(1)
f(a)=a より 1−a2=a である。すなわち a2+a−1=0. 解の公式より a=2−1±5. 正の実数解は a=25−1 である。
(2)
(1) の a は f(a)=a を満たす。したがって
f(x)−f(a)=(1−x2)−(1−a2)=−(x2−a2)=−(x+a)(x−a).
よって ∣f(x)−f(a)∣=(x+a)∣x−a∣ である。ここで x≧1/2 かつ a=25−1 だから x+a≧21+25−1=25. したがって ∣f(x)−f(a)∣≧25∣x−a∣ である。
(3)
仮に x1=a とする。仮定よりすべての n について xn≧1/2 であるから,(2) を x=xn に適用できる。xn+1=f(xn),また f(a)=a なので ∣xn+1−a∣=∣f(xn)−f(a)∣≧25∣xn−a∣. これを繰り返すと ∣xn−a∣≧(25)n−1∣x1−a∣. ここで 25>1 であり,∣x1−a∣>0 であるから,右辺は n が大きくなるといくらでも大きくなる。
一方,仮定よりすべての n で 21≦xn≦1 である。したがって ∣xn−a∣ は有界であり,上の不等式と矛盾する。よって仮定が誤りで,x1=a である。