九州大学 1999年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 指数・対数、微分、関数
- 解法
- グラフの概形、微分による最大最小、はさみうち
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 —
問題
mを2以上の自然数,eを自然対数の底とする.
(1) 方程式xex−mex+m=0をみたす正の実数xの値はただ1つであることを示せ.またその値をcとするとき,m−1<c<mとなることを示せ.
(2) x>0の範囲でf(x)=xmex−1はx=cで最小となることを示せ.
(3) amを(2)で求められるf(x)の最小値とするとき,m→∞limmlogmlogamを求めよ.
出典:九州大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
(1) は方程式の左辺を h(x) とおき,導関数の符号から h が一度下がってから上がることを示す。x=0 も解になるが,求めるのは正の解なので,0<x<m−1 で負,x=m で正になることを使って,正の解が (m−1,m) にただ一つあることを示す。(2) は f′(x) の分子が同じ h(x) になる点を利用する。(3) は最小値を c で表し,m−1<c<m から c が m と同じ大きさであることを使って極限を計算する。
解答
(1)
h(x)=xex−mex+m=(x−m)ex+m とおく。すると h′(x)=ex+(x−m)ex=(x+1−m)ex である。ex>0 だから,h(x) は 0<x<m−1 で減少し,x>m−1 で増加する。
また h(0)=0 であり,0<x<m−1 では h が減少するので h(x)<0(0<x≦m−1) である。さらに h(m)=(m−m)em+m=m>0. したがって中間値の定理より,(m−1,m) に正の解が少なくとも一つ存在する。一方,x>m−1 では h(x) は増加するので,この区間に解は高々一つである。よって正の解はただ一つである。その解を c とすると m−1<c<m である。
(2)
f(x)=xmex−1(x>0) とする。微分すると
f′(x)=x2mexxm−(ex−1)mxm−1=xm+1xex−m(ex−1)=xm+1xex−mex+m=xm+1h(x).
x>0 では分母 xm+1 は正であるから,f′(x) の符号は h(x) の符号と同じである。(1) より h(x)<0 は 0<x<c,h(x)>0 は x>c で成り立つ。したがって f(x) は (0,c) で減少し,(c,∞) で増加する。
よって f(x) は x=c で最小となる。
(3)
最小値を am=f(c) とする。c は cec−mec+m=0 を満たすので m(ec−1)=cec. したがって ec−1=mcec であり,am=cmec−1=mcm−1ec. 対数をとると logam=c−logm−(m−1)logc. よって
mlogmlogam=mlogmc−m1−mm−1⋅logmlogc.
(1) より 1−m1<mc<1 であるから c/m→1,したがって logc/logm→1 である。また c/(mlogm)→0 である。ゆえに m→∞limmlogmlogam=−1 である。