熊本大学 2020年度
理系数学 第4問(医学部医学科)
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 医(医学科)学部
- 分野
- 整数、指数・対数、積分
- 解法
- 数え上げ、不等式評価、定積分評価
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 28分
問題
xy平面において,x,yがともに整数であるとき,点(x,y)を格子点とよぶ.2以上の整数nに対し,0<x<n,1<2y<(1+nx)nをみたす格子点(x,y)の個数をP(n)で表す.以下の問いに答えよ.(問1) 不等式∑k=1n−1{nlog2(1+nk)−1}≦P(n)<∑k=1n−1nlog2(1+nk)を示せ.(問2) 極限値limn→∞n2P(n)を求めよ.(問3) (問2)で求めた極限値をLとする.不等式L−n2P(n)>2n1を示せ.
出典:熊本大学 2020年度 前期 理系 第4問
方針
各 x=k で正整数 y<Mk の個数を Mk−1 以上 Mk 未満で評価する。極限はリーマン和で積分にし,最後は log2(1+x) の上に凸性から台形和評価を使う。
解答
(問1)
x=k(1≦k≦n−1)と固定すると
1≦y<nlog2(1+nk)
を満たす整数 y の個数を数えればよい。正の実数 M について 1≦y<M を満たす整数の個数は M−1 以上 M 未満である。これを各 k で足せば示す不等式を得る。
(問2)
問1を n2 で割ると上下の差は (n−1)/n2→0。したがって
n→∞limn2P(n)=∫01log2(1+x)dx.
自然対数を log とすると
∫01log2(1+x)dx=log21∫01log(1+x)dx=2−log21.
(問3)
f(x)=log2(1+x) とおく。問1より
n2P(n)<n1k=1∑n−1f(nk).
また f′′(x)<0 なので,各小区間でグラフは端点を結ぶ線分より上にある。よって
∫01f(x)dx>n1{21f(0)+k=1∑n−1f(nk)+21f(1)}.
f(0)=0,f(1)=1 より
L−n2P(n)>2n1.