東京大学 2019年度
理系数学 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 関数、三角関数、数列、微分
- 解法
- 範囲評価、極限計算、微分による最大最小、同値変形
- 難易度
- 7 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
以下の問いに答えよ。
(1) nを1以上の整数とする。xについての方程式
x2n−1=cosx
は,ただ一つの実数解anをもつことを示せ。
(2) (1)で定まるanに対し,cosan>cos1を示せ。
(3) (1)で定まる数列a1,a2,a3,⋯⋯,an,⋯⋯に対し,
a=n→∞liman,b=n→∞limann,c=n→∞liman−aann−b
を求めよ。
出典:東京大学 2019年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第5問
方針
まず方程式の実数解が存在し得る範囲を絞る。∣x∣>1 や x<0 では左辺と右辺の大きさ・符号が合わないので、解は 0<x<1 に限られる。この区間で x2n−1−cosx が連続かつ単調増加であることから一意性を示す。(2)は 0<an<1 と cosx の単調性で終わる。(3)は方程式を an2n−1=cosan と見て、まず an→1 をはさみうちで示す。さらに両辺に an を掛けて ann=ancosan と表せば、b と最後の差商は1変数関数 g(x)=xcosx の値と微分係数に帰着する。
解答
(1)
方程式 x2n−1=cosx を考える。
まず解の範囲を絞る。x>1 なら左辺は1より大きく、右辺は1以下なので解はない。x<−1 なら左辺は −1 より小さく、右辺は −1 以上なので解はない。また −1≦x<0 では、左辺は負である一方、cosx≧cos1>0 なので解はない。x=0 でも左辺は0、右辺は1であり解ではない。
したがって解は 0<x≦1 の範囲で考えればよい。関数 f(x)=x2n−1−cosx を 0≦x≦1 で考えると、f は連続で f(0)=−1<0,f(1)=1−cos1>0 である。よって中間値の定理により少なくとも1つ解をもつ。
さらに f′(x)=(2n−1)x2n−2+sinx であり、0<x≦1 では f′(x)>0 である。したがって f は 0<x≦1 で狭義単調増加であり、解は高々1つである。
以上より、方程式はただ一つの実数解 an をもつ。
(2)
(1)の議論から 0<an<1 である。cosx は 0≦x≦1 で単調減少するので cosan>cos1 である。
(3)
定義より an2n−1=cosan である。(2)から cosan>cos1 なので an2n−1>cos1 である。0<an<1 と合わせると (cos1)2n−11<an<1 である。n→∞ とすると左端は1に近づくから、はさみうちにより a=n→∞liman=1 である。
次に、方程式の両辺に an を掛けると an2n=ancosan である。an>0 なので ann=ancosan と書ける。よって b=n→∞limann=cos1 である。
最後に g(x)=xcosx とおく。上で示したように ann=g(an)、b=g(1)、a=1 であるから c=limn→∞an−1g(an)−g(1) である。an→1 かつ an=1 なので、この極限は g′(1) に等しい。
微分すると g′(x)=2xcosxcosx−xsinx である。したがって c=2cos1cos1−sin1 である。