東京大学 2018年度
理系数学 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 複素数平面、図形と方程式
- 解法
- 複素数の極形式、軌跡、実部虚部比較、図形的解釈、式変形
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 25分
問題
複素数平面上の原点を中心とする半径1の円をCとする。点P(z)はC上にあり,点A(1)とは異なるとする。点Pにおける円Cの接線に関して,点Aと対称な点をQ(u)とする。
w=1−u1
とおき,wと共役な複素数をwで表す。
(1) uとwwをzについての整式として表し,絶対値の商∣w∣∣w+w−1∣を求めよ。
(2) Cのうち実部が21以下の複素数で表される部分をC′とする。点P(z)がC′上を動くときの点R(w)の軌跡を求めよ。
% 図は省略
出典:東京大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第5問
方針
単位円の点 z における接線は,複素数 X に対して Re(Xz)=1 と表せる。点 1 をこの直線で対称移動すると,法線方向の成分から u=2z−z2 が得られる。そこから 1−u=(1−z)2,w=1/(1−z)2 と変形し,z=1/z を用いて w/w と絶対値の商を求める。(2)は w=X+Yi とおき,(1)の絶対値関係を放物線の式に直す。さらに z=cosθ+isinθ として,Rez≦1/2 が X のどの範囲に移るかを確認する。
解答
(1)
∣z∣=1 である。点 P(z) における円 C の接線は,半径 OP に垂直であり,複素数 X で表される点について Re(Xz)=1 と書ける。点 1 からこの接線へ下ろす垂線の向きは z 方向である。点 1 の接線からの符号つき距離に対応する量は
Re(1⋅z)−1=Re(z)−1
であるから,対称移動後の点は u=1+2{1−Re(z)}z である。∣z∣=1 より z+z1=2Rez であり,Re(z)=Rez だから u=1+2z−z(z+z1)=2z−z2 となる。
したがって 1−u=1−2z+z2=(1−z)2 であり,w=(1−z)21 である。また ∣z∣=1 かつ z=1 より z=1/z であるから
w=(1−z)21=(1−z1)21=(1−z)2z2
である。よって ww=z2 を得る。
さらに
w+w−1=(1−z)21+z2−1=(1−z)21+z2−(1−z)2=(1−z)22z=2zw
である。∣z∣=1 より ∣w∣∣w+w−1∣=2 である。
(2)
w=X+Yi とおく。(1)で得た関係から ∣w∣∣w+w−1∣=2 である。ここで w+w=2X,∣w∣=X2+Y2 だから X2+Y2∣2X−1∣=2 である。両辺を2乗して整理すると (2X−1)2=4(X2+Y2) より Y2=41−X を得る。
次に範囲を調べる。z=cosθ+isinθ とおくと,w=(1−z)21=2(1−cosθ)−cosθ+isinθ である。したがって X=−2(1−cosθ)cosθ である。関数 ϕ(c)=−2(1−c)c は −1≦c≦1/2 で減少する。実際,ϕ′(c)=−2(1−c)21<0 である。P(z) が C′ 上を動くとき c=cosθ は −1≦c≦21 を動くので,−21≦X≦41 である。
以上より,点 R(w) の軌跡は Y2=41−X,−21≦X≦41 で表される放物線の部分である。端点 X=−1/2 では Y=±3/2,端点 X=1/4 では Y=0 である。