東京大学 2018年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 数列、場合の数、整数
- 解法
- 二項定理、漸化式の変形、約数・倍数、範囲評価
- 難易度
- 5 / 10 計算量 5 / 10 目安 15〜20分
問題
数列a1,a2,⋯⋯を
an=n!2n+1Cn(n=1,2,⋯⋯)
で定める。
(1) n≧2とする。an−1anを既約分数pnqnとして表したときの分母pn≧1と分子qnを求めよ。
(2) anが整数となるn≧1をすべて求めよ。
出典:東京大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第2問
方針
an/an−1 を階乗で展開し,約分前の形 2(2n+1)/(n(n+1)) を得る。既約分数の分母分子を問われているので,2n+1 が n と n+1 のどちらとも互いに素であり,共通因子が2だけであることを確認する。(2)は比が1未満になる n≧4 以降の単調減少と,a8<1 を使って大きい n を除外し,残る n≦7 を直接計算する。
解答
(1)
n≧2 とする。まず
an−1an=n!2n+1Cn⋅2n−1Cn−1(n−1)!
である。組合せの部分は
2n−1Cn−12n+1Cn=n(n+1)(2n+1)(2n)=n+12(2n+1)
であり,さらに (n−1)!/n!=1/n だから an−1an=n(n+1)2(2n+1) である。
次にこの分数を既約にする。2n+1 と n の最大公約数は1である。また 2n+1−2(n+1)=−1 より,2n+1 と n+1 の最大公約数も1である。したがって分子 2(2n+1) と分母 n(n+1) の共通因子は,n(n+1) に含まれる因子2だけである。よって既約分数は an−1an=2n(n+1)2n+1 である。したがって qn=2n+1,pn=2n(n+1) である。
(2)
(1)の約分前の式から an−1an<1 は 2(2n+1)<n(n+1) すなわち n2−3n−2>0 と同値である。この二次式の正の根は (3+17)/2 で,これは3と4の間にある。したがって整数 n≧2 については,n≧4 で an<an−1 となる。
直接計算すると
nan132536354421520776601437112143840322431
である。a8<1 であり,n≧4 では単調減少するから,n≧8 では 0<an<1 となり整数ではない。表から 1≦n≦7 で整数となるのは n=1,2 だけである。よって求める n は n=1, 2 である。