東京大学 2006年度
理系数学 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 数列
- 解法
- 漸化式の変形、はさみうち、極限計算
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 24分
問題
a1=21とし,数列{an}を漸化式
an+1=(1+an)2an(n=1,2,3,⋯)
によって定める。このとき,以下の問いに答えよ。
(1) 各n=1,2,3,⋯に対しbn=an1とおく。n>1のとき,bn>2nとなることを示せ。
(2) n→∞limn1(a1+a2+⋯+an)を求めよ。
(3) n→∞limnanを求めよ。
出典:東京大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第5問
方針
逆数 bn=1/an を取ると,漸化式は bn+1=bn+2+1/bn という加法型になる。(1)は増加量が常に2より大きいことから示す。(2)は an<1/(2n) を用いて平均を上から評価する。(3)は bn が 2n より大きく,一方で超過分は調和和程度に抑えられることを示し,bn/n→2 から nan→1/2 を得る。
解答
(1)
bn=an1 とおく。a1=1/2 なので b1=2 である。また an+1=(1+an)2an より
bn+1=an+11=an(1+an)2=an1+2+an=bn+2+bn1
である。bn>0 だから bn+1>bn+2 である。
これを繰り返すと,n>1 に対して bn>b1+2(n−1)=2n である。したがって bn>2n(n>1) が示された。
(2)
(1)より,n>1 では bn>2n である。an=1/bn だから 0<an<2n1(n>1) である。
したがって
0<na1+a2+⋯+an≦n1(21+k=2∑n2k1)
である。ここで ∑k=2nk1≦1+∫1nxdx=1+logn なので,右辺は n1(21+21(1+logn)) 以下であり,n→∞ で0に近づく。はさみうちにより n→∞limn1(a1+a2+⋯+an)=0 である。
(3)
(1)より,n>1 で bn>2n である。したがって bn1<2n1 である。漸化式 bn+1=bn+2+bn1 から,n>1 では bn+1<bn+2+2n1 となる。 k=2,3,…,n−1 についてこの不等式を足し合わせると,ある定数項を含めて bn<2n+C+21∑k=2n−1k1 と書ける。例えば C=b2−4 としてよい。よって 2<nbn<2+nC+2n1∑k=2n−1k1 である。右端の余分な項は,(2)と同様に調和和が logn 程度であることから0に近づく。したがって limn→∞nbn=2 である。
ゆえに nan=bnn=bn/n1 より n→∞limnan=21 である。