東京大学 1994年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 三角関数、数列、整数
- 解法
- 三角比の利用、漸化式の変形、数学的帰納法
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 18分
問題
a=sin25π,b=sin252π
とおく。このとき,以下のことが成り立つことを示せ。
(1) a+bおよびabは有理数である。
(2) 任意の自然数nに対し(a−n+b−n)(a+b)nは整数である。
出典:東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第2問
方針
sin5θ=0をsinθで割り,sin2θについての2次方程式を作る。θ=π/5,2π/5を代入すると,a,bがその2根になるので,解と係数の関係からa+bとabを求める。(2)ではr=(a+b)/a,s=(a+b)/bとおくと,r+sとrsがともに整数になる。するとUn=rn+snが整数係数の漸化式を満たすため,帰納法で整数性が示せる。別解として,a,bを根号で表して共役な形から同じ漸化式へ戻す方法もある。
解答
(1)
公式 sin5θ=16sin5θ−20sin3θ+5sinθ を用いる。sin5θ=0かつsinθ=0のとき,sinθで割って 16sin4θ−20sin2θ+5=0 を得る。 θ=π/5,2π/5はいずれもsin5θ=0,sinθ=0を満たす。したがって a=sin25π,b=sin252π は,2次方程式 16X2−20X+5=0 の2根である。よって解と係数の関係から a+b=1620=45,ab=165 であり,どちらも有理数である。
(2)
r=aa+b,s=ba+b とおく。このとき r+s=(a+b)(a1+b1)=ab(a+b)2 であり,(1)の結果を代入して r+s=5/16(5/4)2=5 である。また rs=ab(a+b)2=5 でもある。 Un=rn+snとおく。r,sは2次方程式 X2−5X+5=0 の2根であるから r2=5r−5,s2=5s−5 である。両辺にそれぞれrn−2,sn−2を掛けて足すと,n≧3について Un=5Un−1−5Un−2 が成り立つ。
初項は U1=r+s=5,U2=(r+s)2−2rs=25−10=15 で,いずれも整数である。漸化式の係数も整数なので,数学的帰納法により,すべての自然数nについてUnは整数である。
一方,
Un=(aa+b)n+(ba+b)n=(a−n+b−n)(a+b)n
である。したがって求める数は整数である。
別解。(1)の2次方程式を解くと a,b=85∓5 である。したがって r,s=aa+b,ba+b=25±5 となる。よって求める数は
rn+sn=(25+5)n+(25−5)n
である。この2つは根号の符号だけが違うので,和を作ると根号を奇数個含む項は打ち消し合う。さらにr+s=5,rs=5であるから,この和は上の解答と同じ漸化式 Un=5Un−1−5Un−2 に従う。初項U1=5,U2=15から,やはりすべて整数である。