東京大学 1994年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 数と式、微分、方程式・不等式
- 解法
- 不等式評価、微分による最大最小、存在証明、一意性証明
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 18分
問題
f(x)=x4+x3+21x2+61x+241,g(x)=x5+x4+21x3+61x2+241x+1201
とする。このとき,以下のことが成り立つことを示せ。
(1) 任意の実数xに対し,f(x)>0である。
(2) 方程式g(x)=0はただひとつの実数解αをもち,−1<α<0となる。
出典:東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
(1)はf(x)を平方の和と正の定数に分解して,任意の実数で正であることを示す。(2)はg′(x)を平方の和と正の定数に分解し,gが実数全体で単調増加であることを示す。あとはg(−1)<0<g(0)を直接計算し,中間値と単調性から,解の存在・一意性・範囲−1<α<0を同時に結論する。
解答
(1)
平方完成を行うと
f(x)=(x2+2x)2+41(x+31)2+721
である。実際,右辺を展開すると
x4+x3+41x2+41x2+61x+361+721=x4+x3+21x2+61x+241
となり,f(x)と一致する。
右辺の2つの平方は0以上であり,最後に1/72が加わっている。したがって任意の実数xに対して f(x)>0 である。
(2)
gを微分すると g′(x)=5x4+4x3+23x2+31x+241 である。これも平方完成により
g′(x)=5(x2+52x)2+107(x+215)2+5041
と書ける。展開して確認すると,x2の係数は4/5+7/10=3/2,xの係数は7/10⋅10/21=1/3,定数項は5/126+1/504=1/24である。
したがって任意の実数xに対して g′(x)>0 であり,g(x)は実数全体で単調に増加する。
端点の値を調べると g(−1)=−1+1−21+61−241+1201=−51<0 であり,また g(0)=1201>0 である。よって連続性により,−1<x<0にg(x)=0を満たす実数解が少なくとも一つ存在する。
さらにg(x)は単調に増加するので,実数解は二つ以上存在できない。したがって方程式g(x)=0はただ一つの実数解αをもち,その解は −1<α<0 を満たす。