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東京大学 1993年度
理系数学 第3問

問題

平面内に次の二つの集合を考える。

上にない2点に対し,と交わらない線分または折れ線で結ぶときの経路の長さの最小値をで表す。

2点に対しとなる点の軌跡を平面上に図示せよ。

出典:東京大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第3問

方針

障害物は2本の開線分なので,直線で結べない最短経路は端点を回る折れ線になる。4つの端点を置き, からの距離候補と からの距離候補を比較する。直線で見通せる部分では通常の等距離条件 から直線 が出る。上端を回る部分と下端を回る部分では,2焦点からの距離差が一定になるので双曲線の弧になる。中央では左右の端点までの距離が等しい条件から となり,双曲線との交点で弧の範囲を切り替える。

解答

4つの端点を とおく。これらは障害物 には含まれないので,経路は端点を通ってよい。また である。

最短経路が途中で曲がるとき,曲がる点は端点でよい。端点以外で曲がっている部分があれば,その前後を直線で結び直すことで短くできるからである。したがって,直線で見通せる場合と,端点を1つまたは2つ通る場合を比較すればよい。

まず, がともに直線で見通せる部分では である。したがって等距離条件は であり, の垂直二等分線 を得る。この直線上で両方の直線経路が障害物を横切らないのは の部分である。

次に上側の端点を回る部分を考える。この部分では である。等距離条件は となる。焦点が で,焦点間距離が10,距離差が の双曲線であるから,式は である。ここで左側の枝だけが現れる。

この双曲線を と書く。上側の弧は,直線部分 との接続点 から頂点 までなので である。下側の弧は,後で出る中央の直線 との交点まで残る。交点を求めるため, を下側の式へ代入すると である。 として解くと を得る。そこで とおくと,下側の弧は である。

中央部分では, からは下左端 を, からは上右端 を回る経路が最短になる。このとき であるから,等距離条件は である。したがって を得る。この直線部分は,上側の双曲線弧との交点から,下側の対称な双曲線弧との交点までであるから である。

下側は原点に関する対称性により,上側と同様に の右側の枝が現れる。具体的には および である。

以上より求める軌跡は,次の部分の和である。 図では,左上から の半直線,焦点 の双曲線弧,中央の線分 ,焦点 の双曲線弧,右下の の半直線を順につなぐ。