問題
平面上, 座標, 座標がともに整数であるような点 を格子点とよぶ。
各格子点を中心として半径 の円がえがかれており,傾き の任意の直線はこれらの円のどれかと共有点をもつという。このような性質をもつ実数 の最小値を求めよ。
出典:東京大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第5問
方針
傾き の直線を と書く。格子点 からこの直線までの距離は なので、問題は実数 と整数集合との距離に変わる。 は を整数で動かすとすべての整数を取るため、任意の には距離 以下の整数がある。上限を示した後、 の直線でそれより小さい半径が不可能なことを示す。
解答
傾き の直線は と書ける。これを整理して の形で表すことにする。
格子点 からこの直線までの距離は である。
ここで と は互いに素であるから、 はすべての整数値をとる。実際、任意の整数 について とすれば である。
したがって、任意の実数 に対して、ある整数 を選べば とできる。上の を として実現すれば、対応する格子点から直線までの距離は 以下である。よって なら、傾き の任意の直線はどれかの円と共有点をもつ。
次に、これより小さい半径では不十分であることを示す。たとえば を考える。この直線に対しては、任意の格子点 について は整数なので である。したがって、どの格子点からこの直線までの距離も 以上である。半径がこれより小さければ、この直線はどの円とも共有点をもたない。
以上より、求める最小値は である。