東京大学 1985年度
理系数学 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 確率、数列
- 解法
- 漸化式の変形、数学的帰納法、期待値
- 難易度
- 7 / 10 計算量 5 / 10 目安 22〜32分
問題
0または正の整数の値をとる変数X,Yがある.Xが整数n (n≧0)の値をとる確率と,Yが整数n (n≧0)の値をとる確率は,ともにpnであるとする.(ここで,n=0∑∞pn=1である.)
いま,任意の整数m,n (m≧0,n≧0)に対して,X=mなる事象とY=nなる事象は独立であり,また,X+Y=nとなる確率は(n+1)pn+1に等しいという.このとき,pn (n=0,1,2,⋯⋯)とn=0∑∞npnの値を求めよ.
出典:東京大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第5問
方針
独立性から P(X+Y=n) を畳み込み ∑k=0npkpn−k として表す。条件よりこれが (n+1)pn+1 に等しいので,n=0 から始めて帰納法で pn=p0n+1 を示す。最後に確率の総和が1であることから p0 を決め,平均値は等比級数の和で求める。
解答
条件より,任意の n≧0 について P(X+Y=n)=(n+1)pn+1 である。一方,X と Y は独立であり,どちらも同じ分布 pn をもつので P(X+Y=n)=∑k=0nP(X=k)P(Y=n−k)=∑k=0npkpn−k である。したがって ∑k=0npkpn−k=(n+1)pn+1 が成り立つ。
まず n=0 とすると p02=p1 である。ここから pn=p0n+1 を数学的帰納法で示す。 0≦k≦n で pk=p0k+1 が成り立っていると仮定する。このとき
(n+1)pn+1=k=0∑npkpn−k=k=0∑np0k+1p0n−k+1=(n+1)p0n+2
である。よって pn+1=p0n+2 である。したがってすべての n≧0 で pn=p0n+1 が成り立つ。
確率の総和が1なので 1=∑n=0∞pn=∑n=0∞p0n+1 である。p0=0 なら総和は0になり不適であり,確率の総和が有限であるため 0<p0<1 である。したがって ∑n=0∞p0n+1=1−p0p0=1 より p0=21 である。ゆえに pn=2n+11(n=0,1,2,…) である。
最後に平均値を求める。
n=0∑∞npn=n=1∑∞2n+1n=21n=1∑∞n(21)n
である。∣r∣<1 に対して ∑n=1∞nrn=(1−r)2r を用いると,r=1/2 より ∑n=1∞n(21)n=2 である。したがって ∑n=0∞npn=1 である。