東京大学 1985年度
理系数学 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 三角関数、積分
- 解法
- 面積計算、微分による最大最小
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 18〜28分
問題
a≧1とする.xy平面において,不等式0≦x≦2π,1≦y≦asinxによって定められる領域の面積をS1,不等式0≦x≦2π,0≦y≦asinx,0≦y≦1によって定められる領域の面積をS2とする.S2−S1を最大にするようなaの値と,S2−S1の最大値を求めよ.
出典:東京大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
曲線 y=asinx と直線 y=1 の交点を θ と置き,sinθ=1/a で表す。S1 は曲線が1以上の部分,S2 は asinx と1の小さい方の下の面積である。まず面積を a,θ で表し,θ の微分も含めて S2−S1 を最大化する。端点 a=1 も比較する。
解答
a≧1 である。まず sinθ=a1,0<θ≦2π となる θ をとる。a=1 のときは θ=π/2 である。また cosθ=1−a21=aa2−1 である。 S1 は 1≦y≦asinx の部分なので,asinx≧1 となる θ≦x≦π/2 で積分して
S1=∫θπ/2(asinx−1)dx=acosθ−(2π−θ)=a2−1−2π+θ
である。
一方,S2 は 0≦y≦asinx,0≦y≦1 を同時に満たす部分である。したがって上端は asinx と1の小さい方であり,
S2=∫0θasinxdx+∫θπ/21dx=a(1−cosθ)+2π−θ=a−a2−1+2π−θ
である。
よって H(a)=S2−S1=a−2a2−1+π−2θ である。a>1 で微分する。sinθ=1/a より cosθθ′=−a21 だから θ′=−aa2−11 である。したがって
H′(a)=1−a2−12a+aa2−12=1−a2a2−1
である。 H′(a)=0 とすると a2−1=2a であり,a2−1=4a2 より a=32 を得る。1<a<2/3 では H′(a)>0,a>2/3 では H′(a)<0 なので,ここで最大となる。
このとき sinθ=23 より θ=3π である。また a2−1=31 なので
H(32)=32−2⋅31+π−2⋅3π=3π
である。
したがって a=32,(S2−S1)max=3π である。端点 a=1 では S2−S1=1 であり,これは π/3 より小さい。