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東京大学 1982年度
理系数学 第1問

問題

行列によって定まる平面の1次変換をとする.原点以外のある点によって自身にうつされるならば,原点を通らない直線であって,のどの点もによっての点にうつされるようなものが存在することを証明せよ.

出典:東京大学 1982年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問

方針

原点以外の点 がそのまま保たれるので、 は零でない解をもつ。したがって転置した方程式にも零でない解 があり、 を満たす。この行ベクトルで直線 を作れば、原点を通らず、かつ変換後も同じ直線上に残る。

解答

原点以外の点 の位置ベクトルを とする。 によって 自身に移されるという条件は である。したがって であり、 だから は零でない解をもつ。よって である。

このとき転置した方程式 にも零でない解 が存在する。これを

と書くと である。これは行ベクトルで書けば という意味である。

そこで直線 を考える。 なので、これは確かに直線である。また右辺が1であるから、原点 はこの直線上にない。

いま、点 上にあるとする。つまり である。この点が によって に移されるとすると、行ベクトルの関係 より したがって これは も直線 上にあることを表している。

よって、原点を通らない直線 であって、そのどの点も によって 上の点に移されるものが存在する。

別解の視点

点が保たれる方向そのものを使って直線を作るのではなく、その方向に対応する一次式 が保たれるような係数を探すのが本問の発想である。転置した方程式を使うと、その係数が自然に得られる。