問題
行列の表す1次変換をとする.による点の像をとする.正の整数に対し,のによる像をとする.が点に最も近くなるときのの値を求めよ.
出典:東北大学 2011年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第6問
方針
行列 は単位行列 に、2乗すると零行列になる行列 を足した形 で表せる。 なら二項展開で となるので、初期点 の 回後の座標を直接求められる。あとは点 までの距離の2乗を の2次式にし、正の整数 で最小となる値を調べる。別解として、座標の漸化式から を帰納法で出しても同じ距離最小化に進める。
解答
問題の点 を と書くことにする。すると は に行列 を 回作用させた点である。
とおく。このとき
である。したがって であり、 について となる。実際、二項展開で 以上の項がすべて零行列になるからである。
初期点を列ベクトルで
と書くと
である。よって
である。したがって である。
点 までの距離の2乗を とすると
である。平方完成すると である。実数 では に最も近いところで最小となる。正の整数 では候補は である。
実際に比べると であり、 である。したがって最も近くなるのは のときである。
別解。座標を直接追ってもよい。 とおくと である。 から始めると、 が成り立つことを帰納法で示せる。実際、 で正しく、 なら である。よって同じく を得て、以後は上と同じ距離の2乗の最小化に帰着する。