東北大学 2009年度
理系数学 前期 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)、数と式
- 解法
- 式変形、必要十分条件、場合分け
- 難易度
- 7 / 10 計算量 7 / 10 目安 22分
問題
a,b,c,d,p,qはad−bc>0,p>0,q>0を満たす実数とする.2つの行列A=(acbd)とP=(p00q)がAPA=P2を満たすとする.このとき,以下の問いに答えよ.
(1) P3A=AP3が成り立つことを示せ.
(2) Aをpとqで表せ.
出典:東北大学 2009年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第5問
方針
APA=P2を成分で比較する。非対角成分からb(pa+qd)=0,c(pa+qd)=0が得られるので,まずpa+qd=0の場合が行列式条件ad−bc>0に反することを示す。するとb=c=0が従い,AとPは対角行列になる。(2)では対角成分からa2=p,d2=qを得て,ad>0により符号が同じであることを使う。
解答
(1)
A=(acbd),P=(p00q)
である。APAを計算すると
APA=(pa2+qbcc(pa+qd)b(pa+qd)pbc+qd2)
である。一方
P2=(p200q2)
なので,非対角成分から b(pa+qd)=0,c(pa+qd)=0 が成り立つ。
ここでpa+qd=0と仮定する。このときd=−pa/qである。また左上成分の等式 pa2+qbc=p2 より bc=qp2−pa2 である。したがって ad−bc=a(−qpa)−qp2−pa2=−qp2<0 となり,仮定ad−bc>0に反する。よって pa+qd=0 である。したがって b=0,c=0 である。
するとAもPも対角行列であるから,対角成分同士の積は順序を入れ替えても同じであり,P3A=AP3 が成り立つ。
(2)
(1)よりb=c=0である。APA=P2の対角成分を比較すると pa2=p2,qd2=q2 である。p>0,q>0より a2=p,d2=q である。また ad−bc=ad>0 なので,aとdは同符号である。したがって
A=(p00q)またはA=(−p00−q)
である。逆に,これらの行列はいずれもad−bc>0かつAPA=P2を満たす。