問題
を実数として,2次の正方行列,を次のように定める.
このとき,をみたす実数が存在するようなの範囲を求めよ.ただし,は零行列とする.
出典:東北大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第5問
方針
, と置き, を直接二乗する。 は対角成分の和が0の形になるため, は の同次二次式が0になる条件に落ちる。最後は の実数解が存在する条件を判別式で調べ,同次式なので解を正規化すれば にできることも確認する。
解答
とおく。このとき であり,特に である。 とおくと
である。ここで と書けば
である。この形の行列を二乗すると
となる。したがって であるための条件は である。
これを で書くと である。展開して を得る。
もし なら, より であり,上の式は となって矛盾する。したがって解があるなら である。そこで とおくと となる。この二次方程式が実数解をもつことが必要十分である。
判別式が0以上であればよいから である。整理して すなわち である。因数分解すると である。
よって求める範囲は である。逆に,この範囲では上の二次方程式に実数解 がある。非零の組 は同次二次式を満たすので,これを正規化すれば を満たす組が得られる。したがって実際にある実数 が存在する。