東北大学 2007年度
後期・理系数学 後期 第3問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 確率、論証・証明
- 解法
- 数え上げ、式変形、範囲評価、一般化
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 —
問題
あるグループの各人が独立に一問のクイズに答え,グループの人数の半数以上が正解すればグループは合格とする.ただし,一人一人の正解する確率はp (0≦p≦1)とする.グループの人数が2nであるときグループが合格する確率をan(p)とする.
(1) 2以上の自然数nに対して,an(p)は文字pについての多項式としてpnで割り切れ,an(p)−an−1(p)は文字pについての多項式として(1−p)nで割り切れることを示せ.
(2) a3(p)≧a2(p)となるpの範囲を求めよ.
出典:東北大学 2007年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第3問
方針
an(p) は 2n 人中 n 人以上が正解する二項分布の和として書く。pn で割り切れることは各項の p の指数が n 以上であることから従う。an−an−1 については,不合格確率 qn=1−an を導入し,qn と qn−1 の各項がもつ (1-p) の因数を比較する。(2)は a2,a3 を具体的に展開して差を因数分解し,0≦p≦1 で符号を読む。
解答
(1)
2n 人中 n 人以上が正解すれば合格であるから an(p)=∑k=n2n2nCkpk(1−p)2n−k である。この和の各項は pn を因数にもつので,an(p) は pn で割り切れる。
次に,不合格となる確率を qn(p)=1−an(p) とおく。すると qn(p)=∑k=0n−12nCkpk(1−p)2n−k である。この和では 2n−k≧n+1 なので,各項は (1−p)n+1 を因数にもつ。特に qn(p) は (1−p)n で割り切れる。
同様に qn−1(p)=∑k=0n−22n−2Ckpk(1−p)2n−2−k であり,ここでは 2n−2−k≧n なので,qn−1(p) は (1−p)n で割り切れる。したがって an(p)−an−1(p)=qn−1(p)−qn(p) も (1−p)n で割り切れる。
(2)
まず
a2(p)=4C2p2(1−p)2+4C3p3(1−p)+p4=p2(3p2−8p+6)
である。また
a3(p)=6C3p3(1−p)3+6C4p4(1−p)2+6C5p5(1−p)+p6=p3(−10p3+36p2−45p+20)
である。よって
a3(p)−a2(p)=−10p6+36p5−48p4+28p3−6p2=−2p2(p−1)3(5p−3)
である。 0≦p≦1 では p2≧0 であり,(p−1)3≦0 である。したがって −2p2(p−1)3 は 0 以上で,差の符号は 5p-3 の符号で決まる。ただし p=0 では差は 0 である。ゆえに a3(p)≧a2(p) となる範囲は p=0,53≦p≦1 である。