東北大学 1995年度
理系数学 前期 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)、三角関数
- 解法
- 恒等式比較、回転・拡大、実部虚部比較
- 難易度
- 7 / 10 計算量 5 / 10 目安 20分
問題
A=(acbd)とする.A2が角θ (0<θ<π)の回転を表す行列であれば,Aも回転を表す行列であることを証明せよ.
出典:東北大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第1問
方針
A2 を角 θ の回転行列 R とおくと,AA2=A2A から AR=RA が成り立つ。0<θ<π なので sinθ=0 であり,成分比較で A の形を (u−vvu) に絞る。最後に A2 の行列式が1であることから u2+v2=1 を示し,回転行列の形に直す。
解答
角 θ の回転行列を
R=(cosθsinθ−sinθcosθ)
とおく。仮定より A2=R である。行列の積の結合法則から AR=AA2=A3=A2A=RA が成り立つ。 A=(acbd),C=cosθ,S=sinθ と書く。0<θ<π より S=0 である。AR=RA を成分で書くと
(aC+bScC+dS−aS+bC−cS+dC)=(Ca−ScSa+CcCb−SdSb+Cd)
である。左上成分を比べると aC+bS=aC−cS より b=−c を得る。また右上成分を比べると −aS+bC=bC−dS より a=d を得る。したがって
A=(u−vvu)
と書ける。
次に行列式を見る。A2=R であり,回転行列の行列式は1だから (detA)2=det(A2)=detR=1 である。一方,上の形から detA=u2+v2≧0 なので u2+v2=1 である。よって,ある角 ϕ を用いて u=cosϕ,v=sinϕ と表せる。したがって
A=(cosϕ−sinϕsinϕcosϕ)
となる。これは角 −ϕ の回転を表す行列である。ゆえに A も回転を表す行列である。