東北大学 1988年度
理系数学 前期 第6問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、三角関数
- 解法
- 定積分評価、はさみうち、範囲評価
- 難易度
- 7 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
半円C:x2+y2=1,y≧0とx軸上に点A(a,0)が与えられている.ただしa>1とする.C上の点Pからx軸に垂線PQを下ろし,三角形APQの面積をSa(P)で表す.
(1) C上にn+1個の点P0(1,0),P1,P2,⋯⋯,Pn(−1,0)がこの順序に等間隔に並んでいるとき,極限値M(a)=n→∞limn1k=1∑nSa(Pk)を求めよ.
(2) M(a)=Sa(P)を満たすC上の点Pのうちで,そのx座標が最大となるものを(xa,ya)とするとき,a→∞limyaを求めよ.
出典:東北大学 1988年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第6問
方針
半円上の点を P=(cost,sint) と置くと、三角形 APQ の底辺は a−cost、高さは sint である。等間隔に並ぶ点は弧を等分する点なので、平均は [0,π] 上の定積分の平均に収束する。後半は M(a)=Sa(P) を x,y で書き、xa が常に [−1,1] にあることを使って、a→∞ で xa/a→0 として極限を出す。
解答
(1)
半円 C 上の点を P=(cost,sint)(0≦t≦π) とおく。このとき、Q=(cost,0) である。点 A=(a,0) かつ a>1 なので、底辺 AQ の長さは a−cost であり、高さ PQ は sint である。したがって Sa(P)=21(a−cost)sint である。
点 P0,P1,…,Pn は半円上にこの順序に等間隔に並ぶので、Pk は tk=nkπ に対応する。よって n1∑k=1nSa(Pk) は、区間 [0,π] における関数 21(a−cost)sint の平均値に収束する。したがって M(a)=π1∫0π21(a−cost)sintdt である。計算すると
∫0π21(a−cost)sintdt=2a∫0πsintdt−21∫0πcostsintdt=2a⋅2−21[21sin2t]0π=a.
よって M(a)=πa である。
(2)
P=(x,y) とすると、半円上にあるので −1≦x≦1,0≦y≦1 である。また Sa(P)=21(a−x)y である。(1)より M(a)=πa だから、条件 M(a)=Sa(P) は 21(a−x)y=πa すなわち y(1−ax)=π2 である。
ここで、問題で選ばれる点 (xa,ya) についても常に −1≦xa≦1 である。したがって axa→0(a→∞) である。上の関係式に (xa,ya) を代入すると ya(1−axa)=π2 であるから、a→∞ として lima→∞ya=π2 を得る。
補足。xa が最大となる点を具体的に解く必要はない。xa が半円上の点の x 座標である以上、−1≦xa≦1 に必ず収まるため、a で割れば0に近づく。この有界性が極限計算の要点である。