東北大学 1981年度
理系数学 前期 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)、複素数平面
- 解法
- 式変形、三角比の利用、回転・拡大
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 16〜24分
問題
M={(ab−ba)a,bは実数}とする.
(1) OでないMの行列Aに対して,AX=Oを満たすMの行列Xを求めよ.ただし,O=(0000)である.
(2) X3=(01−10)を満たすMの行列Xを求めよ.
出典:東北大学 1981年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第5問
方針
集合 M の行列どうしの積を成分で計算すると、実数の組 (a,b) に対して積の規則が保たれる。(1) は A=O のとき a2+b2=0 であることを使い、AX=O の連立から X=O だけを得る。(2) は X を r,θ で (rcosθrsinθ−rsinθrcosθ) と表し、3乗で大きさが3乗、角が3倍になることを成分計算として使う。候補は3つ出る。
解答
(1)
A=(ab−ba),X=(xy−yx)
とおく。積を計算すると
AX=(ax−byay+bx−(ay+bx)ax−by)
である。これが零行列 O に等しいので ax−by=0,ay+bx=0 である。
第1式に a、第2式に b を掛けて加えると a(ax−by)+b(ay+bx)=0 すなわち (a2+b2)x=0 である。また第2式に a、第1式に b を掛けて引くと a(ay+bx)−b(ax−by)=0 より (a2+b2)y=0 である。 A=O だから (a,b)=(0,0) であり、a2+b2=0 である。したがって x=0,y=0 となる。よって X=O である。
(2)
X∈M を
X=(rcosθrsinθ−rsinθrcosθ)(r≧0)
と表す。M の行列の積を成分で計算すると、この形の行列では大きさが掛け合わされ、角が加わる。したがって
X3=(r3cos3θr3sin3θ−r3sin3θr3cos3θ)
である。
これが
(01−10)
に等しいので r3=1,cos3θ=0,sin3θ=1 である。よって r=1,3θ=2π+2kπ となる。3乗で同じ行列になるものは、k=0,1,2 を取ればすべてである。したがって
θ=6π,θ=65π,θ=23π
である。
それぞれを行列に直すと
2321−2123,−2321−21−23,(0−110)
である。