名古屋大学 1983年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)、ベクトル
- 解法
- 内積の利用、ベクトル成分計算、場合分け
- 難易度
- 7 / 10 計算量 5 / 10 目安 25分
問題
xy平面上で,原点を1つの頂点としy≧0の部分にある正方形のうち,1次変換
(x′y′)=(3a+b3(a−b)3(a−b)a+3b)(xy)
によって長方形にうつされるものを求めよ.ただし,ab=0とする.
出典:名古屋大学 1983年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第2問
方針
固定された2方向 (3,1)、(−1,3) を基準にすると、この行列はそれぞれを 4a 倍、4b 倍する。正方形の辺方向をこの基準から角 ϕ だけ回したものとして表し、変換後の内積を計算する。a2=b2 なら全方向が可能で、そうでなければ基準の2方向だけが可能になる。
解答
行列を
M=(3a+b3(a−b)3(a−b)a+3b)
とする。2つの互いに垂直な単位ベクトル
e1=(23,21),e2=(−21,23)
を考える。
直接計算すると Me1=4ae1,Me2=4be2 である。
正方形の隣り合う辺の方向を u=cosϕe1+sinϕe2, v=−sinϕe1+cosϕe2 と表す。このとき u,v は互いに垂直である。
変換後の内積は (Mu)⋅(Mv)=16(b2−a2)sinϕcosϕ である。したがって、変換後が長方形になる条件は (b2−a2)sinϕcosϕ=0 である。
もし a2=b2 すなわち a=bまたはa=−b なら、どの ϕ でもこの条件を満たす。したがって、この場合は原点を頂点とし y≧0 の部分にあるすべての正方形が条件を満たす。
一方、a2=b2 なら sinϕcosϕ=0 なので、辺の方向は e1,e2 の方向に限られる。すなわち、隣り合う2辺が y=31x,y=−3x に平行な正方形である。
以上より、答は次の通りである。 a=b または a=−b のときは、条件を満たすすべての正方形 であり、a2=b2 のときは、上の2直線に平行な辺をもつ正方形 である。