九州大学 1987年度
文系数学 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)、数列
- 解法
- 置換、漸化式の変形、計算整理
- 難易度
- 5 / 10 計算量 5 / 10 目安 16〜20分
問題
行列(abba)によって定義される1次変換をfとする.一般に,点P0(x0,y0)に対して,点列Pn(xn,yn)をPn=f(Pn−1) (n≧1)によって定義する.このとき,次の問に答えよ.
(1) P0が(1,1)と(1,−1)の2つの場合について,xnとynを,a,bを用いて表せ.
(2) P0=(x0,y0)のとき,xnとynを,a,bを用いて表せ.
出典:九州大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問
方針
xn+yn と xn−yn を作ると、1回の変換でそれぞれ a+b 倍、a−b 倍される。この2つの量を先に求め、最後に xn と yn を和と差から戻す。(1) の2つの初期点は、和だけが残る場合と差だけが残る場合として扱えるので、(2) の一般式の準備にもなる。
解答
(1)
変換の定義から xn+1=axn+byn,yn+1=bxn+ayn である。まず P0=(1,1) の場合を考える。このとき x0=y0=1 であり、もし xn=yn なら xn+1=yn+1=(a+b)xn となる。したがって xn=(a+b)n,yn=(a+b)n である。
次に P0=(1,−1) の場合を考える。このとき y0=−x0 であり、もし yn=−xn なら xn+1=(a−b)xn,yn+1=−(a−b)xn となる。したがって xn=(a−b)n,yn=−(a−b)n である。
(2)
一般の初期点 P0=(x0,y0) について sn=xn+yn,dn=xn−yn とおく。すると sn+1=xn+1+yn+1=(a+b)(xn+yn)=(a+b)sn であり、また dn+1=xn+1−yn+1=(a−b)(xn−yn)=(a−b)dn である。したがって sn=(a+b)n(x0+y0),dn=(a−b)n(x0−y0) となる。
最後に xn=2sn+dn,yn=2sn−dn を用いれば xn=2(x0+y0)(a+b)n+(x0−y0)(a−b)n であり、yn=2(x0+y0)(a+b)n−(x0−y0)(a−b)n である。
別解。(1) の2つの初期点は、変換によって向きが変わらず長さの倍率だけが変わる特別な方向である。一般の点は (x0,y0)=2x0+y0(1,1)+2x0−y0(1,−1) と分けられるので、(1) の結果をそれぞれに掛け合わせても同じ公式を得る。