京都大学 2011年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 方程式・不等式、数列
- 解法
- 数学的帰納法、不等式評価、漸化式の変形
- 難易度
- 6 / 10 計算量 4 / 10 目安 20分
問題
nは2以上の整数であり,21<aj<1 (j=1,2,⋯,n)であるとき,不等式
(1−a1)(1−a2)⋯(1−an)>1−(a1+2a2+⋯+2n−1an)
が成立することを示せ.
出典:京都大学 2011年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第4問
方針
左辺の積を Pn、右辺を Rn とおき、示すべき不等式を Pn−Rn>0 にする。n から n+1 へ移るときの差を計算すると、既知の Pn−Rn と、an+1(2−n−Pn) に分かれる。各 aj>1/2 から 1−aj<1/2、したがって Pn<2−n が得られるので、帰納法で正であることを示す。
解答
Pn=(1−a1)(1−a2)⋯(1−an) とおき、Rn=1−(a1+2a2+⋯+2n−1an) とおく。示すべき不等式は Pn>Rn である。
まず n=2 のときを確認する。このとき
P2−R2=(1−a1)(1−a2)−(1−a1−2a2)=1−a1−a2+a1a2−1+a1+2a2=a1a2−2a2=a2(a1−21)>0
である。ここで a2>0 かつ a1>1/2 を用いた。
次に、ある n≧2 で Pn>Rn が成り立つと仮定する。各 aj は 1/2<aj<1 を満たすので 0<1−aj<21 である。したがって 0<Pn=(1−a1)⋯(1−an)<(21)n=2n1 である。
n+1 の場合を考えると、Pn+1=Pn(1−an+1) であり、また Rn+1=Rn−2nan+1 である。よって
Pn+1−Rn+1=Pn(1−an+1)−(Rn−2nan+1)=Pn−Rn−an+1Pn+2nan+1=(Pn−Rn)+an+1(2n1−Pn).
帰納法の仮定より Pn−Rn>0 であり、上で示したように Pn<1/2n であるから an+1(2n1−Pn)>0 である。したがって Pn+1−Rn+1>0 となる。
以上より、数学的帰納法によってすべての整数 n≧2 について
(1−a1)(1−a2)⋯(1−an)>1−(a1+2a2+⋯+2n−1an)
が成立する。