東京大学 2025年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 指数・対数、関数、積分
- 解法
- 不等式評価、平均値の定理、極限計算、定積分評価
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 12〜15分
問題
(1) x>0のとき,不等式logx≦x−1を示せ。
(2) 次の極限を求めよ。
n→∞limn∫12log(21+x1/n)dx
出典:東京大学 2025年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第2問
方針
(1)は F(x)=x−1−logx の増減で示す。(2)は x1/n=e(logx)/n と書き,h(u)=log21+eu を導入する。u は [0,(log2)/n] に入るので,平均値の定理により h(u)=uh′(ξ) と表せる。h′(u)=eu/(1+eu) はこの狭い区間で一様に 1/2 に近づくため,積分の中身の極限を 21logx として処理する。
解答
(1)
F(x)=x−1−logx(x>0) とおく。すると F′(x)=1−x1=xx−1 である。x>0 では分母 x は正であるから,F′(x) の符号は x−1 の符号で決まる。したがって F(x) は 0<x<1 で減少,x>1 で増加 する。よって最小値は x=1 でとり,F(1)=1−1−log1=0 である。したがってすべての x>0 に対して F(x)≧0 すなわち logx≦x−1 が成り立つ。
(2)
h(u)=log(21+eu) とおく。このとき h(0)=log1=0,h′(u)=1+eueu である。また 1≦x≦2 では 0≦logx≦log2 だから 0≦nlogx≦nlog2 である。
積分の中身は
log(21+x1/n)=log(21+e(logx)/n)=h(nlogx)
と書ける。平均値の定理より,各 x に対して,ある ξn,x が 0≦ξn,x≦nlogx≦nlog2 を満たし,h(nlogx)−h(0)=nlogxh′(ξn,x) となる。したがって nlog(21+x1/n)=logx⋅h′(ξn,x) である。
ここで h′(u)=1+eueu は連続であり,0≦u≦(log2)/n の範囲は n→∞ で 0 に縮む。よって h′(ξn,x)→h′(0)=21 である。しかも ξn,x はすべて [0,(log2)/n] に入るので,この収束は 1≦x≦2 で一様である。したがって nlog(21+x1/n) は一様に 21logx へ近づく。
よって極限と積分を入れ替えて
n→∞limn∫12log(21+x1/n)dx=∫1221logxdx=21[xlogx−x]12=21{(2log2−2)−(−1)}=log2−21
である。