東京大学 2007年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 数列、三角関数、極限
- 解法
- 三角比の利用、漸化式の変形、極限計算
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 —
問題
nを2以上の整数とする。平面上にn+2個の点O,P0,P1,⋯,Pnがあり,次の2つの条件をみたしている。
(i) ∠Pk−1OPk=nπ (1≦k≦n),∠OPk−1Pk=∠OP0P1 (2≦k≦n)
(ii) 線分OP0の長さは1,線分OP1の長さは1+n1である。
線分Pk−1Pkの長さをakとし,sn=k=1∑nakとおくとき,n→∞limsnを求めよ。
出典:東京大学 2007年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第2問
方針
rk=OPk,θ=π/n とおく。各三角形 OPk−1Pk では,O の角が一定で,Pk−1 側の角も一定なので,正弦定理から rk/rk−1 が一定になる。初期条件 r1/r0=1+1/n より rk=(1+1/n)k である。各辺 ak は余弦定理で rk−1 の一定倍になり,sn は等比数列の和に帰着する。最後は λ=1+1/n,θ=π/n として,nsin(π/(2n))→π/2 と (1+1/n)n→e を用いる。
解答
θ=nπ,rk=OPk とおく。また α=∠OP0P1 とおく。条件より,すべての k について三角形 OPk−1Pk の O における角は θ,Pk−1 における角は α である。
三角形 OPk−1Pk に正弦定理を用いると,辺 OPk は角 α の向かい,辺 OPk−1 は角 θ+α の向かいにあるので rk−1rk=racsinαsin(θ+α) である。右辺は k によらない。ところが r0=1,r1=1+rac1n であるから,この一定比を λ=1+rac1n とおける。したがって rk=λk=(1+rac1n)k である。
次に,ak=Pk−1Pk を余弦定理で求める。OPk−1 と OPk のなす角は θ だから
ak2=rk−12+rk2−2rk−1rkcosθ=rk−12(1+λ2−2λcosθ)
である。よって ak=λk−11+λ2−2λcosθ である。
したがって
sn=k=1∑nak=1+λ2−2λcosθk=1∑nλk−1=1+λ2−2λcosθ⋅λ−1λn−1=n{(1+rac1n)n−1}1+λ2−2λcosθ
である。
ここで 1+λ2−2λcosθ=(λ−1)2+2λ(1−cosθ) であり,1−cosθ=2sin2(θ/2) だから
n2(1+λ2−2λcosθ)=n2(λ−1)2+4λn2sin22θ=1+4λ(nsin2nπ)2
である。n→∞ のとき λ→1,nsin(π/(2n))→π/2 なので
n→∞limn1+λ2−2λcosθ=1+π2
である。また limn→∞(1+rac1n)n=e である。以上より limn→∞sn=(e−1)1+π2 である。