問題
コインを投げる試行の結果によって,数直線上にある2点,を次のように動かす。
表が出た場合: 点の座標が点の座標より大きいときは,とを共に正の方向に1動かす。そうでないときは,のみ正の方向に1動かす。
裏が出た場合: 点の座標が点の座標より大きいときは,とを共に正の方向に1動かす。そうでないときは,のみ正の方向に1動かす。
最初2点,は原点にあるものとし,上記の試行を回繰り返してとを動かしていった結果,,の到達した点の座標をそれぞれ,とする。
(1) 回コインを投げたときの表裏の出方の場合の数通りのうち,となる場合の数をとおく。との間の関係式を求めよ。
(2) を求めよ。
(3) 回コインを投げたときの表裏の出方の場合の数通りについてのの値の平均を求めよ。
方針
(1)(2)は文科第3問と同じく差 を追う。 からは次に等しくならず、 からは2通りのうち1通りだけ等しくなるので が得られる。(3)は対称性から の平均が の平均の半分であることを使う。 回後に である割合を とし、次の1回での の平均増加量を足し上げる。
解答
(1)
とおく。初めは である。 のとき、表なら だけが1進むので 、裏なら だけが1進むので となる。したがって から次に になることはない。 のときは、表なら がともに1進んで のままであり、裏なら だけが1進んで となる。 のときも同様に、2通りのうち1通りだけが へ戻る。
よって、 回後に である 通りから、それぞれ1通りずつ 回後に となる。したがって である。
(2)
である。(1)の漸化式に対し、 とおくと である。また だから である。したがって である。
(3)
回後の の平均を とする。規則は と 、表と裏を入れ替えても対称なので、 の平均と の平均は等しい。したがって求める の平均は である。 回後に である割合は である。ただし ではまだ何も投げていないので とおく。この値は であり、(2)の式と一致している。
次の1回で がどれだけ増えるかを調べる。 のときは、表でも裏でも片方だけが1進むので、 の増加量は1である。 のときは、2通りのうち一方では2点がともに1進んで増加量2、もう一方では片方だけが1進んで増加量1である。したがって平均増加量は である。
よって 回後から 回後への の平均増加量は
である。したがって
となる。
(2)より であるから
したがって の平均は である。すなわち である。
別解。(3)では の増加量を直接見てもよい。 なら次の1回で が増える確率は 、 でも平均増加量は 、 なら表でも裏でも は1増える。対称性から と は同数なので、 回後の の平均増加量は となる。これを から まで足しても、上と同じ式が得られる。