東京大学 2001年度
理系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- 積分、三角関数、関数
- 解法
- 文字消去、恒等式比較、定積分評価、必要十分条件
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 —
問題
次の等式を満たす関数f(x) (0≦x≦2π)がただ一つ定まるための実数a,bの条件を求めよ。また,そのときのf(x)を決定せよ。
f(x)=2πa∫02πsin(x+y)f(y)dy+2πb∫02πcos(x−y)f(y)dy+sinx+cosx
ただし,f(x)は区間0≦x≦2πで連続な関数とする。
出典:東京大学 2001年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第2問
方針
加法定理で sin(x+y) と cos(x−y) を展開すると、右辺は必ず sinx と cosx の一次結合になる。したがって解があるなら f(x)=αsinx+βcosx と置ける。直交性 ∫02πsin2ydy=∫02πcos2ydy=π、∫02πsinycosydy=0 を使って α,β の連立一次方程式に帰着し、和と差を取って一意性の条件を調べる。
解答
加法定理より sin(x+y)=sinxcosy+cosxsiny, cos(x−y)=cosxcosy+sinxsiny である。したがって与えられた等式の右辺は、どのような連続関数 f に対しても sinx と cosx の一次結合になる。よって解が存在するなら f(x)=αsinx+βcosx と書ける。
このとき
∫02πsinyf(y)dy=α∫02πsin2ydy+β∫02πsinycosydy=πα
であり、同様に ∫02πcosyf(y)dy=πβ である。
これをもとの等式に代入すると、sinx の係数は 2aβ+2bα+1 であり、cosx の係数は 2aα+2bβ+1 である。したがって係数比較により
α=2aβ+2bα+1,β=2aα+2bβ+1
を得る。両式を整理して2倍すると (2−b)α−aβ=2, −aα+(2−b)β=2 である。
この2式を加えると (2−a−b)(α+β)=4 であり、引くと (2+a−b)(α−β)=0 である。
ここで 2−a−b=0 なら、上の和の式が 0=4 となり、解は存在しない。また 2+a−b=0 のときは、差 α−β が一意に決まらない。ただし同時に 2−a−b=0 となる場合はすでに解が存在しない場合に含まれる。したがって、関数 f がただ一つ定まるための条件は 2−a−b=0,2+a−b=0 である。すなわち b=2−a,b=2+a である。
この条件のもとでは α+β=2−a−b4,α−β=0 であるから α=β=2−a−b2 となる。よって求める関数は f(x)=2−a−b2(sinx+cosx) である。