東京大学 1997年度
理系数学 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科一類・理科二類・理科三類
- 分野
- ベクトル、図形と方程式、方程式・不等式
- 解法
- 座標設定、内積の利用、範囲評価、計算整理
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 24分
問題
rは0<r<1を満たす実数とする。xyz空間に原点O(0,0,0)と2点A(1,0,0),B(0,1,0)をとる。
(1) xyz空間の点Pで条件
を満たすものが存在するようなrの範囲を求めよ。
(2) 点Pが(1)の条件を満たして動くとき,内積PA⋅PBの最大値,最小値をrの関数と考えてそれぞれM(r),m(r)で表す。このとき,左からの極限
r→1−0lim(1−r)2{M(r)−m(r)}
を求めよ。
出典:東京大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第3問
方針
PA=PBからP=(s,s,z)とおける。距離条件を2乗すると(1−r2)(2s2+z2)−2s+1=0となり、平方完成で軌跡が楕円になる条件を読む。(2)では内積PA⋅PBを条件式を使って2s2+z2の一次式に直し、楕円上でsが動く幅から最大値と最小値の差を求める。
解答
(1)
P=(x,y,z)とする。PA=PBより (x−1)2+y2+z2=x2+(y−1)2+z2 であるから x=y である。そこで P=(s,s,z) とおく。
条件PA=rPOを2乗すると (s−1)2+s2+z2=r2(2s2+z2) である。整理して (1−r2)(2s2+z2)−2s+1=0 を得る。 0<r<1なので1−r2>0である。これを平方完成すると 2(s−2(1−r2)1)2+z2=2(1−r2)22r2−1 となる。実数s,zが存在するためには右辺が0以上であればよい。したがって 2r2−1≧0 より r≧21 である。もともと0<r<1なので、求める範囲は 21≦r<1 である。
(2)
I=PA⋅PB とおく。P=(s,s,z)より
PA=(1−s,−s,−z),PB=(−s,1−s,−z)
であるから I=2s2−2s+z2 である。
一方、条件式から 2s=(1−r2)(2s2+z2)+1 である。これを用いると I=(2s2+z2)−2s=r2(2s2+z2)−1 となる。したがって、Iの最大値と最小値の差は、2s2+z2の最大値と最小値の差にr2を掛けたものである。 A=1−r2とおく。平方完成した式は 2(s−2A1)2+z2=2A22r2−1 である。u=s−2A1とおくと、この楕円上で 2s2+z2=2(u+2A1)2+z2 である。右辺を展開し、楕円の式2u2+z2=2A22r2−1を使うと、変動する部分は A2u だけである。
楕円上では −2A2r2−1≦u≦2A2r2−1 である。したがって2s2+z2の最大値と最小値の差は A222r2−1 である。よって M(r)−m(r)=(1−r2)22r22r2−1 となる。
したがって (1−r)2{M(r)−m(r)}=(1+r)22r22r2−1 である。r→1−0とすると limr→1−0(1−r)2{M(r)−m(r)}=42=21 である。