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東京大学 1996年度
理系数学 第3問

問題

空間内の点を中心とする一辺の長さがの立方体の頂点をとする。また,を中心とする半径の球面をとする。

(1) 上のすべての点からのうち少なくとも1点が見えるための必要十分条件をで表せ。

(2) 上のすべての点からのうち少なくとも2点が見えるための必要十分条件をで表せ。

ただし,上の点からが見えるとは,の外側にあり,線分との共有点がのみであることとする。

出典:東京大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第3問

方針

まず,球面上の点 から外部の点 が見える条件を,線分 が球の内側へ入らない条件として内積で表す。立方体の頂点を ,球面上の点を とおくと,可視条件は符号和 の大小比較になる。(1)では最大の符号和 の最小値を調べる。(2)では対称性により として,2番目に大きい符号和 の最小値を調べる。

解答

(1)

球面 上の点 と,立方体の頂点の一つ を考える。線分 上の点は と表せる。 であるから,

である。 に対してこの値が負にならなければ,線分 は球の内側に入らず,共有点は だけである。 を十分小さくしたときの符号も考えると,これは と同値である。

立方体の頂点は と書ける。球面上の点を とおくと,ある頂点が見える条件は すなわち である。

固定した に対して,八つの符号和の最大値は である。したがって,すべての から少なくとも1点が見えるための必要十分条件は がすべての で成り立つことである。

ここで であり,等号は などで成り立つ。よって左辺の最小値は である。したがって必要十分条件は すなわち である。この条件の下では頂点の距離 より大きいので,頂点は球面の外側にある。

(2)

今度は,すべての から少なくとも2点が見える条件を考える。座標軸の入れ替えと符号の反転に関する対称性により, としてよい。このとき八つの符号和のうち最も大きいものは であり,2番目に大きいものは である。実際,ほかの候補 は, により 以下である。

したがって,少なくとも2点が見えるためには,すべての に対して が成り立つことが必要十分である。

この左辺の最小値を求める。 だから である。また より なので である。したがって である。等号は のとき成り立つから,最小値は である。

よって必要十分条件は すなわち である。この条件でも各頂点は球面の外側にある。