問題
平面において,行列
で表される1次変換をとし,点を中心とする半径の円をとする。によるの像が直線に接し,かつ領域
に含まれるような全体のなす図形を平面上に図示せよ。
出典:東京大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
行列 は,中心を から に移し,半径を 倍する相似回転として働く。したがって は中心 ,半径 の円である。直線 への接条件と,円全体が に入る条件をそれぞれ式にし,接条件から得た曲線上で の範囲を絞る。最後に図示に必要な端点の開閉も確認する。
解答
円 上の点を と表す。この点の による像は である。ここで だから, は中心 ,半径 の円である。
この円が直線 に接する条件は,中心から直線までの距離が半径に等しいこと,すなわち である。両辺を2乗すると であり,整理して を得る。
次に,円全体が に含まれる条件を考える。円の最も左の点の 座標は であるから,必要十分条件は である。接条件のもとでは なので,これは と同値である。
この不等式を解く。 のときは常に成り立つが,曲線 上に実点があるためには が必要なので,この場合は である。 のときは より であり,曲線上に実点がある条件と合わせて となる。
したがって求める図形は, 平面上の曲線 のうち を満たす部分である。図示すると,左側の枝は の二点を含まず の点 を含む部分,右側の枝は を含んで 正方向へ伸びる二つの枝である。