東北大学 2012年度
後期・理系数学 後期 第6問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、図形と方程式、数列
- 解法
- 座標設定、面積計算、定積分評価
- 難易度
- 8 / 10 計算量 8 / 10 目安 —
問題
AB=1,AC=3,∠BAC=2πである直角三角形ABCを考える。nを2以上の自然数とし,辺ABをn等分して得られる点をAに近い方から順にP1,P2,⋯,Pn−1とする。AをP0,BをPnとおくとき,以下の問いに答えよ。
(1) 三角形PkCPk+1 (0≦k≦n−1)の内接円の半径を求めよ。
(2) 三角形PkCPk+1 (0≦k≦n−1)の内接円の面積の総和をSnとする。
In=n1k=0∑n−13+(nk)21
とおくと,nSn≦43πInとなることを示せ。また,極限n→∞limInを求めよ。
(3) 極限n→∞limnSnを求めよ。
出典:東北大学 2012年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第6問
方針
座標を A=(0,0),B=(1,0),C=(0,3) とおき、Pk=(k/n,0) とする。(1)は小三角形 PkCPk+1 の底辺、2つの斜辺、面積を求め、内接円半径 r=Δ/s で表す。(2)は2つの斜辺を下から同じ量で評価して rk2 の上界を作り、In に結びつける。In はリーマン和として積分に収束する。(3)は(1)の正確な式を用いて nSn をリーマン和に直し、極限を計算する。
解答
(1)
座標を A=(0,0),B=(1,0),C=(0,3) とおく。このとき Pk=(nk,0) である。したがって PkPk+1=n1 であり、
CPk=3+(nk)2,CPk+1=3+(nk+1)2
である。
三角形 PkCPk+1 の底辺を PkPk+1 と見ると、高さは 3 なので、面積は Δk=21⋅n1⋅3=2n3 である。内接円の半径を rk とすると、Δk=rksk である。ただし sk は半周長で、
sk=21{n1+3+(k/n)2+3+((k+1)/n)2}
である。よって
rk=n1+3+(k/n)2+3+((k+1)/n)23/n
である。
(2)
3+((k+1)/n)2≧3+(k/n)2 であるから、(1)の分母は 23+(k/n)2 以上である。したがって rk≦2n3+(k/n)23 である。よって
Sn=k=0∑n−1πrk2≦k=0∑n−14n2{3+(k/n)2}3π
である。両辺に n を掛けると
nSn≦43π⋅n1k=0∑n−13+(k/n)21=43πIn
を得る。
また In は関数 1/(3+x2) の [0,1] におけるリーマン和であるから limn→∞In=∫013+x2dx である。計算すると
∫013+x2dx=31[arctan3x]01=31⋅6π
なので n→∞limIn=63π である。
(3)
(1)より
nSn=n3πk=0∑n−1{n1+3+(k/n)2+3+((k+1)/n)2}21
である。n→∞ のとき、和の中の分母は {23+x2}2=4(3+x2) に対応する。したがってこれはリーマン和として 3π∫014(3+x2)dx に収束する。よって limn→∞nSn=43π∫013+x2dx である。(2)の積分値を用いて
n→∞limnSn=43π⋅63π=83π2
である。