東北大学 2012年度
後期・理系数学 後期 第5問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 複素数平面、三角関数
- 解法
- 複素数の極形式、数学的帰納法、実部虚部比較
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
以下の問いに答えよ。
(1) 実数θに対し,
α=cosθ+isinθ,β=cosθ−isinθ
とおく。すべての自然数nに対して,
αn=cosnθ+isinnθ,βn=cosnθ−isinnθ
が成り立つことを示せ。ただし,iは虚数単位を表す。
(2) θ=72πとし,(1)で定めたα,βを考える。α7=1を示せ。また,k,lは自然数でk+lが7の倍数のとき,αk=βlとなることを示せ。
(3) θ=72πとし,(1)で定めたα,βを考える。
A=α+α2+α4,B=β+β2+β4
とおいたとき,A+B,ABの値を求めよ。
(4) θ=72πのとき,sinθ+sin2θ+sin4θの値を求めよ。
出典:東北大学 2012年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第5問
方針
(1)は加法定理を用いた帰納法でド・モアブル型の公式を示す。(2)では θ=2π/7 から α7=1 と β=α−1 を使う。(3)は B を α の負の指数、つまり α6+α5+α3 と見直し、7乗根の和 1+α+⋯+α6=0 で A+B、AB を求める。(4)は A の虚部を求める問題に変換する。
解答
(1)
n=1 では定義そのものである。ある自然数 n で αn=cosnθ+isinnθ が成り立つと仮定する。このとき αn+1=(cosnθ+isinnθ)(cosθ+isinθ) である。加法定理を用いると αn+1=cos(n+1)θ+isin(n+1)θ となる。したがって帰納法により、すべての自然数 n で成り立つ。β についても同様に、または i を −i に置き換えて同じ議論により βn=cosnθ−isinnθ が成り立つ。
(2)
θ=2π/7 であるから、(1)より α7=cos2π+isin2π=1 である。また αβ=(cosθ+isinθ)(cosθ−isinθ)=1 なので β=α−1 である。 k+l が7の倍数であるとする。このとき k+l=7r と書ける。α7=1 より αk+l=1 であるから αk=α−l である。さらに α−1=β なので αk=βl である。
(3)
β=α−1、α7=1 より β=α6,β2=α5,β4=α3 である。したがって B=α6+α5+α3 である。 α=1 で α7=1 だから 1+α+α2+⋯+α6=0 である。よって A+B=α+α2+α3+α4+α5+α6=−1 であり、A+B=−1 である。
次に AB を計算する。積の各項の指数を7で割った余りで見ると、{1,2,4}+{6,5,3} から、指数0になる項が3個あり、指数1から6までの項がそれぞれ1個ずつ現れる。したがって AB=3+(α+α2+⋯+α6)=3−1=2 である。よって AB=2 である。
(4)
B は A の共役複素数である。したがって A=u+iv とおくと A+B=2u,AB=u2+v2 である。(3)より 2u=−1 なので u=−21 である。また u2+v2=2 だから 41+v2=2 であり、v2=47 である。
ここで v は v=sinθ+sin2θ+sin4θ である。θ=2π/7 では sinθ>0、sin2θ>0、sin4θ=−sin(π/7) であり、sin2θ>sin(π/7) だから和は正である。よって sinθ+sin2θ+sin4θ=27 である。