東北大学 2002年度
理系数学 前期 第6問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、論証・証明
- 解法
- 帰納的定義の利用、不等式評価、存在証明
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 25分
問題
f1(x)は実数全体で定義された何回でも微分可能な関数とする.f2(x),f3(x),⋯を次のように順次定義する.n=2,3,⋯に対しFn−1(x)=∫0xfn−1(t)dtとおいてfn(x)=∫0xfn−1(t)Fn−1(t)dtとする.このとき,以下の問いに答えよ.
(1) n≧2のとき,すべてのxに対してfn(x)≧0であることを示せ.
(2) n≧3のとき,すべてのx≧0に対してfn′(x)≧0であることを示せ.
(3) f4′(1)=0のとき,すべての0≦x≦1に対してf1(x)=0であることを示せ.
出典:東北大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第6問
方針
定義の中に fn−1Fn−1 が現れるので、Fn−1′=fn−1 から fn={Fn−1}2/2 と書けることが中心である。この恒等式で非負性を示し、n≧3 では fn−1≧0 から Fn−1(x)≧0 を得る。(3)は非負連続関数の積分が0なら区間上で恒等的に0という事実を、f3、f2、F1 へ順に戻して使う。
解答
(1)
Fn−1′(x)=fn−1(x) であるから、定義より
fn(x)=∫0xfn−1(t)Fn−1(t)dt=∫0xFn−1′(t)Fn−1(t)dt=21{Fn−1(x)}2−21{Fn−1(0)}2
である。ここで Fn−1(0)=∫00fn−1(t)dt=0 なので fn(x)=21{Fn−1(x)}2 である。したがって n≧2 のとき、すべての実数 x について fn(x)≧0 である。
(2)
n≧3 とする。このとき n−1≧2 なので、(1)より fn−1(x)≧0 である。x≧0 では Fn−1(x)=∫0xfn−1(t)dt≧0 である。よって fn′(x)=fn−1(x)Fn−1(x)≧0 であり、示された。
(3)
f4′(1)=f3(1)F3(1)=0 である。ここで f3(x)≧0 であり、F3(1)=∫01f3(x)dx≧0 である。
もし F3(1)=0 なら、非負連続関数 f3 の [0,1] 上の積分が0であるから f3(x)=0(0≦x≦1) である。特に f3(1)=0 である。したがって、いずれの場合も f3(1)=0 が成り立つ。
(1)で得た式を n=3 に用いると f3(1)=21{F2(1)}2 だから F2(1)=0 である。さらに f2(x)≧0 なので F2(1)=∫01f2(x)dx=0 から f2(x)=0(0≦x≦1) である。
最後に f2(x)=21{F1(x)}2 であるから、0≦x≦1 で F1(x)=0 である。両辺を微分して f1(x)=0(0≦x≦1) を得る。