東北大学 2002年度
後期・理系数学 後期 第3問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)
- 解法
- 式変形、場合分け、計算整理
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 26分
問題
E=(1001)を単位行列とする.a,b,cは実数とし,行列A=(aba+1c)が次の条件
A3=E,(0110)A(0110)=A−1
をみたすとする.このようなAをすべて求めよ.
出典:東北大学 2002年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第3問
方針
K=(0110) とおくと、KAK=A−1 は KAKA=E と同値である。まず KAKA=E の成分比較で大きく候補を絞る。そこから a+b+1=0 の場合とそうでない場合に分け、最後に A3=E を満たすものだけを残す。
解答
K=(0110)
とおく。条件 KAK=A−1 は、右からAを掛けて KAKA=E と同値である。
A=(aba+1c)
を代入して KAKA=E の成分を比べると
⎩⎨⎧ac+b2=1,c(a+b+1)=0,a(a+b+1)=0,a(a+c+2)=0
を得る。
まず a+b+1=0 とする。このとき第2式、第3式から a=0,c=0 であり、第1式から b2=1 である。さらに a+b+1=0 より b=−1 なので b=1 である。このとき
A=(0110)=K
となるが、A3=K=E であり不適である。
次に a+b+1=0 とする。このとき b=−a−1 である。第1式は ac+(a+1)2=1 すなわち a(a+c+2)=0 となる。 a=0 なら c=−a−2 であり、
A=(a−a−1a+1−a−2)
である。この行列は跡が −2、行列式が1なので A2+2A+E=O を満たす。したがって A3=3A+2E である。もし A3=E なら 3A+2E=E より A=−E/3 となるが、これは上の形のAの跡が −2 であることに反する。よってこの場合は不適である。
したがって a=0 である。このとき
b=−1,A=(0−11c)
である。A3=E を計算すると
A3=(−c1−c2c2−1c3−2c)
である。これがEに等しいためには −c=1 が必要であり、よって c=−1 である。この値では確かに
A=(0−11−1)
が A3=E,KAK=A−1 を満たす。
したがって求める行列は
(0−11−1)
である。