東北大学 1986年度
理系数学 前期 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)、図形と方程式
- 解法
- 恒等式比較、軌跡、計算整理
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 24〜30分
問題
(1) 行列A=(a1ba) (a>0,b>0)について,A3=Aが成立するようにa,bを定めよ.
(2) (1)のa,bに対して,1次変換{x′=ax+byy′=x+ayを考える.この1次変換による円x2+y2=1の像を図示せよ.
出典:東北大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第3問
方針
(1) は A3−A を成分計算し、a>0、b>0 を使って方程式を2本に絞る。a2+3b−1=0 と 3a2+b−1=0 を解けば一意に決まる。(2) では得た変換式を代入すると、常に y′=2x′ が成り立つので、移った図形は1本の直線上にある。円周上で x′=(1/2)x+(1/4)y がとる範囲を内積の最大値として求め、線分として図示する。
解答
(1)
A=(a1ba)
とする。計算すると
A3−A=(a(a2+3b−1)3a2+b−1b(3a2+b−1)a(a2+3b−1))
である。したがって A3=A が成り立つためには a(a2+3b−1)=0,b(3a2+b−1)=0,3a2+b−1=0 が必要である。
ここで a>0、b>0 なので、a=0、b=0 である。よって a2+3b−1=0,3a2+b−1=0 を解けばよい。第1式から b=31−a2 であり、第2式から b=1−3a2 である。これらを等しいとして 31−a2=1−3a2 を得る。整理すると 1−a2=3−9a2,8a2=2 であるから a2=41 である。a>0 より a=21 である。さらに b=1−3⋅41=41 である。したがって a=21,b=41 である。
(2)
(1) の値を代入すると、1次変換は x′=21x+41y,y′=x+21y である。このとき y′=2(21x+41y)=2x′ である。したがって、移った図形は直線 y′=2x′ 上にある。
次に x′ の範囲を求める。円 x2+y2=1 上で x′=21x+41y である。内積の形で見ると
∣x′∣≦(21)2+(41)2x2+y2=45
である。また等号は、(x,y) が (1/2,1/4) と同じ向き、または反対向きにあるときに成り立つので、この範囲のすべての値をとる。
したがって移った図形は y=2x,−45≦x≦45 で表される線分である。端点は
(45,25),(−45,−25)
である。