東北大学 1986年度
理系数学 前期 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 微分、積分、関数
- 解法
- 微分による最大最小、範囲評価、場合分け
- 難易度
- 8 / 10 計算量 7 / 10 目安 32〜40分
問題
数直線上の2つの動点P1,P2は時刻0のとき原点にあり,時刻tにおける,それぞれの速度v1(t),v2(t)は
v1(t)=4t2−6at−a2,v2(t)=t2+6at−10a2
である.ただし,aは実数とする.
(1) 時刻tにおける2点P1,P2の間の距離f(t)を求めよ.
(2) 0≦t≦3におけるf(t)の最大値と,そのときのtの値を求めよ.
(3) (2)で求めた最大値を最も小さくするaの値を求めよ.
出典:東北大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第2問
方針
位置の差は速度差を積分して求める。初期位置が同じなので、P1 と P2 の位置差は ∫0t(v1−v2)du であり、これは t(t−3a)2 になるので距離もそのまま非負で表せる。最大値は f′(t)=3(t−a)(t−3a) から候補 t=0,3,a,3a を調べるが、t=3a では値が0なので最大候補は端 t=3 と t=a である。a が区間内に入るか、さらに 4a3 と 27(a−1)2 の大小で場合分けする。最後はその最大値を a について最小にする。
解答
(1)
時刻0では2点とも原点にあるので、時刻 t における位置の差は ∫0t{v1(u)−v2(u)}du である。速度差は v1(u)−v2(u)=(4u2−6au−a2)−(u2+6au−10a2) すなわち 3u2−12au+9a2=3(u−a)(u−3a) である。したがって ∫0t(3u2−12au+9a2)du=t3−6at2+9a2t=t(t−3a)2 である。これは常に ≧0 なので、2点間の距離は f(t)=t(t−3a)2 である。ただし問題の時刻では t≧0 を考える。
(2)
f(t)=t(t−3a)2 より f′(t)=(t−3a)2+2t(t−3a)=3(t−a)(t−3a) である。端点では f(0)=0,f(3)=3(3−3a)2=27(a−1)2 である。また t=a が区間 [0,3] に入るとき、f(a)=a(a−3a)2=4a3 である。t=3a が区間に入るときは f(3a)=0 なので最大値の候補にはならない。
まず a<0 または a>3 のとき、t=a は区間に入らない。このとき最大値は端点 t=3 で 27(a−1)2 である。
次に 0≦a≦3 のときは、t=a も候補になる。そこで 4a3−27(a−1)2=(a−3)2(4a−3) を用いる。0≦a<3/4 では 4a3<27(a−1)2 なので最大値は 27(a−1)2(t=3) である。a=3/4 では両者が等しく、4a3=27(a−1)2=1627 であるから、最大値は 1627(t=43,3) である。3/4<a≦3 では 4a3≧27(a−1)2 なので最大値は 4a3(t=a) である。
以上をまとめると、最大値は
⎩⎨⎧27(a−1)216274a3(a<43 または a>3),(a=43),(43<a≦3)
である。最大値をとる時刻は、それぞれ t=3,t=43,3,t=a である。
(3)
(2) の最大値を M(a) とする。a<3/4 では M(a)=27(a−1)2 であり、この範囲では a を 3/4 に近づけるほど小さくなる。したがってこの部分での最小は a=3/4 で 1627 である。 3/4≦a≦3 では M(a)=4a3 であり、これは a について増加する。したがってこの部分でも最小は a=3/4 で 4(43)3=1627 である。a>3 では 27(a−1)2 はさらに大きい。
よって最大値を最も小さくする a は a=43 である。