東京科学大学 2026年度
理系数学 第5問
- 試験区分
- 前期日程
- 対象
- 全学院
- 分野
- 積分、三角関数
- 解法
- 部分積分、定積分評価、極限計算、不等式評価、計算整理
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 20分
問題
n,k を正の整数とする。次の不等式をみたす最小の k を求めよ。 limn→∞∫0100xke−xsin2(nx)dx>10 ただし,e は自然対数の底であり,e>2 をみたす。
出典:東京科学大学 2026年度 前期日程 理系 第5問
方針
sin2(nx)=(1−cos2nx)/2 と分解し,xke−xcos2nx の積分が n→∞ で 0 になることを部分積分で示す。したがって極限は 21∫0100xke−xdx である。k≦3 ではこの値が 10 未満であること,k=4 では 10 を超えることを,有限区間の部分積分公式で確認する。
解答
f(x)=xke−x とおく。f は [0,100] で連続に微分できる。sin2(nx)=(1−cos2nx)/2 より
∫0100xke−xsin2(nx)dx=21∫0100f(x)dx−21∫0100f(x)cos2nxdx
である。第2項の積分を部分積分すると
∫0100f(x)cos2nxdx=[2nf(x)sin2nx]0100−2n1∫0100f′(x)sin2nxdx
である。右辺は n→∞ で 0 に近づく。したがって
n→∞lim∫0100xke−xsin2(nx)dx=21∫0100xke−xdx
である。
ここで Ik=∫0100xke−xdx とおく。部分積分により,k≧1 で Ik=[−xke−x]0100+kIk−1=−100ke−100+kIk−1 である。また I0=1−e−100<1 であるから,順に I1<1,I2<2,I3<6 が成り立つ。したがって k=1,2,3 のとき,求める極限は 10 を超えない。
次に k=4 を調べる。上の漸化式を繰り返すと I4=24−e−100(1004+4⋅1003+12⋅1002+24⋅100+24) である。括弧内は 104122424 であり,これは 227 より小さい。一方,e>2 より e100>2100 であるから e−100(1004+4⋅1003+12⋅1002+24⋅100+24)<2100227<4 である。よって I4>20 であり,k=4 のとき極限は 21I4>10 となる。以上より,求める最小の正の整数は k=4 である。